
せっかく一戸建てを買うなら、高性能な家に住みたいな



でも自然を感じられる心地よさも捨てられないね
そんな一挙両得の贅沢な悩み、叶えるのは無理だと思っていませんか?
性能を追えば、より人工的で温かみのない家…
自然派を目指せば、多少の不便は我慢…
でも、『パッシブデザイン』の家なら、その贅沢な悩みも叶えられるはずです。
このページでは、ZEHとの相性も良いパッシブデザインによる自然の力で快適な家づくりについて紹介します。
- パッシブデザインの特徴
- パッシブデザインのメリット・デメリット
- パッシブデザインの設計要素
- アクティブデザインと組み合わせた時の相性の良さ
パッシブデザインは自然の力を利用した快適住宅



パッシブデザインって、どんな設計なんだろう…?



光熱費を抑えるのに良いって聞いたよ
パッシブデザインとは、建物の設計において、自然エネルギーを最大限に利用することを目的とした設計手法です。
特に、日照、風、太陽熱、水などを活用して、冷暖房や換気などの
エネルギー需要を最小限に抑える
ことを目的としています。
これにより、建物のエネルギー消費を削減することができ、環境にも優しい建物を建てることができます。
パッシブデザインのメリット
パッシブデザインは、自然エネルギーを最大限に利用することを目的とした建築の設計手法であり、様々なメリットがあります。
- エネルギー自立性・効率性が高い
- 環境に配慮した建築
- リスト健康的な空間



一体どういうこと?
エネルギー自立性・効率が高い
パッシブデザインにおける大切な要素は次の3つです。
日照・通風・断熱
これらを効果的に取り込む、あるいは遮ることで最適かつ快適な暮らしを得るための設計手法です。
太陽光で部屋を温めたり、通風によって涼しくするといった自然エネルギーを最大限に活用することで、建物のエネルギー自立性を高めることができます。
それによって、建物の冷暖房や照明に必要なエネルギーを削減することができます。
パッシブデザインは、無駄なエネルギーを消費しない省エネな住居を実現することができるのです。
環境に配慮した建築
パッシブデザインは、自然の力を最大限に利用した住宅設計の手法です。
そのため、人工的な電気エネルギーになるべく頼らない、環境に配慮した建築を実現することができます。
健康的な空間
パッシブデザインは、建物の設計において、風や日照などを最大限に活用することで、健康的な空間を提供することができます。
例えば…
- 自然光を最大限に取り入れることで、居住者の生理時計を整え、睡眠の質を向上させることができる。
- 風を利用することで、新鮮な空気を供給することができ、室内空気を清浄に保つことができる。
パッシブデザインによって、建物内が安定した温度に保たれるため、冷房や暖房の使用を減らすことができ、居住者の体感温度を良好なものに保つことができます。
パッシブデザインの構成要素





メリットは分かったけど、
具体的にどんなデザインなの?



こんな特徴があるんだって!
パッシブデザインで重要な構成要素は以下の5つです。
- 太陽熱利用
- 日射遮蔽
- 昼光利用
- 自然風の利用
- 高断熱・高気密
それぞれ詳しく解説していきましょう。
太陽熱利用
パッシブデザインでは、建物の南側に大きく開けた窓を設置し、冬季に太陽光を取り込み、建物内を暖めることができるようにします。
また、太陽光を利用して水を加熱することもでき、暖房や給湯に使用することができます。
関連 ≫ 平均日射取得率の考え方と基準
日射遮蔽
パッシブデザインでは、建物の南側にある大きな窓からの光を遮断するために、屋根や庇、あるいは庭木といったもので日射遮蔽します。
これにより、建物内が過度に熱くならず、空調負荷を軽減することができます。
昼光利用
パッシブデザインでは、建物内に昼光を導入することで、電気を使用することなく、建物内を照らすことができます。


また、昼光は建物内の温度や湿度を調整するために重要です。
自然風の利用
パッシブデザインでは、建物の各部に窓を設置し、自然風を取り込むことで、空調負荷を軽減することができます。
また、建物内に新鮮な空気を送り込むことができ、健康に良い環境を提供することができます。
高断熱・高気密化
パッシブデザインでは、建物の断熱性能を高めるために、高断熱材料を使用します。
また、高断熱・高気密にするために、建物の各部に隙間がないようにすることで、外気の流入や熱の漏れを防ぎ、エネルギー効率を高めることができます。



特に自然の力を利用したものが中心だね


パッシブデザインのデメリット



でもそんないいことばかりじゃないでしょ?
パッシブデザインには以下のようなデメリットがあります。
- コストが高い
- 地域や気候、地形の条件によっては効果が薄い
- 設計・施工スキルが必要
- デザインに制約がある
一体どういうことなのか、詳しく紹介していきます。
コストが高い
パッシブデザインによる建物の設計や施工は、通常の建物に比べてコストが高くなることがあります。
太陽光を入れるために平屋であっても高窓を設置したり、吹き抜けを導入したらします。その結果、コストが高くなってしまうのです。
地域や気候、地形の条件によっては効果が小さい
パッシブデザインは、建物が建てられる地域や気候条件によっては効果が小さくなることがあります。
冬には太陽光を積極的に取り入れて家全体に蓄熱するのですが、冬の日照条件が悪い地域(東北の日本海側など)ではその有効性が発揮しづらくなります。
また、南側に大きな建物や斜面があって日当たりが悪いなどもネガティブな条件となります。
設計・施工スキルが必要
パッシブデザインによる建物の設計施工は、通常の建物に比べて専門のスキルが必要になることがあります。
知識のない人が見よう見まねで設計すると、夏場の日射が入りすぎて暑い家になったり、冬場に太陽光が入ってこないせいで寒い家になったりします。
また、設計士や業者がその地域の特性をよく知っていないと、最適な設計を実現することが難しくなりますら。
そのため、緻密な計算ができる専門の設計士や施工業者に依頼する必要があります。
デザインに制約がある
パッシブデザインは自然光や風を取り込むために、窓の高さや向きを最適な位置にする必要があります。
そのため、建物の設計上に制限を及ぼすことがあり、必ずしも自分の好み通りの完成図が描けるとは限りません。



一筋縄では行かないな…
アクティブデザインは機器や装置で快適な家づくりをする方法


パッシブデザインとは逆の設計思想に、アクティブデザインがあります。



パッシブとアクティブ…?



受動と能動…
アクティブデザインは、建物に設置される機器や装置を使用して、建物の環境を調整することを目的とした手法です。
建物の環境を自動的に調整するために、様々な機器や装置を使用します。
最近よく聞く、『スマートハウス』はアクティブデザインの一つですね。
アクティブデザインを実現するためには、以下のような機器や装置を使用します。
- 太陽光発電
-
屋根などに設置される太陽光発電パネルを使用して、太陽光をエネルギーに変換します。
- エネルギー回収システム
-
換気扇などを使用して、空気中の温度や湿度を調整します。
- 冷暖房システム
-
空調機などを使用して、室内温度を調整します。
- 換気システム
-
換気扇や換気口を使用して、室内の空気を交換します。



設備で環境を整えるのがアクティブデザインなのか…
アクティブデザインは、建物の環境を自動的に調整するため、パッシブデザインに比べて建物の環境をより簡単にコントロールすることができます。
ただし、アクティブデザインには、エネルギー消費やメンテナンスのコストが高くなることがあります。
そこで、自然のエネルギーを取り入れるパッシブデザインと組み合わせることにより、最強の組み合わせとなるのです。


パッシブとアクティブを融合すると相性が抜群
パッシブデザインとアクティブデザインは、相互に補完的な関係にあります。
パッシブデザインは、建築物のエネルギー効率を上げるために必要な基本的な手法です。
それに加えてアクティブデザインは、追加のエネルギーを稼ぐための手法です。



パッシブデザインで下地を作ることで、消費エネルギーを減らすのね
一般的にパッシブデザインは、建築物の設計や施工において最初に考えるべき手法です。アクティブデザインは、それに加えることでより快適な家づくりができるのです。
また、消費エネルギーを抑えるというパッシブな考え方と、積極的にエネルギーを生み出すアクティブな考え方を合わせることで、より「ZEH(net Zero Energy House)」に近づくことができます。



「創エネ」と「省エネ」で、発電量が消費量を上回る状態を作れる家を『ZEH』と言います。
パッシブデザインの家を建てる時に必要な業者選びのコツ
デメリットのところでお伝えしたとおり、パッシブデザインの家を作るためには施工業者の選び方が大切です。



何を気をつければいいの?
気をつけるべき点は次の通りです。
パッシブデザイン住宅の施工業者を選ぶコツ
- パッシブデザインについての知識や経験が豊富なこと
- 過去にパッシブデザインの家を建てる実績があること
- 建物の気密性や断熱性を重視し、適切な施工方法を採用すること
- 建物の運用・メンテナンスについてのアドバイスを提供すること



実績をちゃんと確認するのが大切ってことだね
パッシブデザインはこれからの住宅設計の基本となり得る
パッシブデザインは、将来の住宅建設において基本となる可能性があります。
これは、パッシブデザインが自然エネルギーを最大限に活用し、省エネや低炭素社会を実現するために必要な手法であるためです。
また、パッシブデザインは、居住者にとっても快適な住環境を提供することができます。
しかしながら、パッシブデザインは地域や気候条件によっては効果が薄くなることもあるためアクティブデザインとの組み合わせや、地域や気候に適した設計ができる建築士や施工業者を選ぶことが重要だと言われています。