ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)は、独自技術、鉄骨構造という建築スタイル、高い品質で知られるハイブランドハウスメーカーの1つです。
この記事では、ヘーベルハウスの全体概要から建築特徴、そして外観とデザインに至るまでを詳細に解説します。
さらに、ヘーベルハウスの構造的な特徴、主な強みと弱点や評価についても深く掘り下げます。
この記事を通じて、ヘーベルハウスの魅力と実際の住み心地、価格帯とコストパフォーマンスについて紹介します。
- 資金計画の相談
- ハウスメーカー・工務店の紹介
- 丁寧なアフターフォロー
ヘーベルハウスの概要
会社名 | 旭化成ホームズ |
---|---|
本拠地 | 東京都千代田区神田神保町1-105 |
創立 | 1972年11月 |
資本金 | 32.5億円 |
社員数 | 7,612人 |
営業所 | 56箇所 |
ヘーベルハウスは、旭化成ホームズの住宅ブランドで、高い品質と独自の建築技術が特徴です。
ヘーベルハウスの住まいは耐震性、耐火性、断熱性に優れていて、日本の厳しい気候条件や地震に対応するための技術を多く採用しています。
特に、軽量気泡コンクリート(ALC)を用いた建築方法は、ヘーベルハウスの代名詞とも言える特徴です。この素材は、軽量でありながら高い強度を持ち、優れた断熱性、遮音性もっています。
また、ヘーベルハウスは、環境に配慮したサステナブルな住宅設計にも力を入れており、エネルギー効率の高い住まいを実現しています。
デザイン面では、モダンでスタイリッシュな外観が特徴的で、多様なライフスタイルに合わせたカスタマイズが可能です。
これらの特徴により、ヘーベルハウスは安全で快適、かつ長期にわたって価値を保つ住宅として高い評価を受けています。
ヘーベルハウスのブランドイメージと特徴
ヘーベルハウスは旭化成ホームズのブランドであり、最大の特徴は、その名称の由来でもある建材「ヘーベル」を外壁・屋根・床に使用していることである。 ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)と呼ばれる軽量気泡コンクリートで、ドイツのヘーベルガスベトン社と技術提携して旭化成ホームズが日本に初めて導入しました。
このALCこそ、ヘーベルハウスのアイデンティティの1つと言えます。
ヘーベルハウスの建築特徴|高性能・高品質
ヘーベルハウスは耐震性、耐火性に特に優れています。
軽量でありながら強度が高く、優れた断熱性能を提供するALC材を基調にした建物は。エネルギー効率が高く、快適な居住環境を実現しています。
ヘーベルハウスの外観とデザイン|モダン・スタイリッシュ
また、ヘーベルハウスは、モダンでスタイリッシュなデザインにも定評があり、機能性と美観を兼ね備えた住まいづくりをしています。
シンプルかつエレガントなデザインは、都市部の住宅地から郊外まで、さまざまな環境に溶け込むように設計されています。
大きな窓や開放的な間取りは、自然光を最大限に取り入れ、居住空間に明るさと広がりをもたらします。
ヘーベルハウスの主な顧客層は中〜高所得層
ヘーベルハウスの主な顧客層は、品質と耐久性を重視する中〜高所得層の家庭です。
特に、長期にわたって安心して暮らせる家を求めるファミリー層や、環境に配慮した住宅を望む意識の高い顧客が多く見られます。
また、カスタマイズ可能な設計オプションにより、個性的で洗練された住宅を求める顧客にも選ばれています。
決して安く、お手頃な住宅メーカーとは言えませんが、その価格に見合った価値のある住まいづくりができるでしょう。
ヘーベルハウスの構造と素材
鉄骨構造の種類と特性
ヘーベルハウスでは、耐久性と耐震性に優れた鉄骨構造を採用しています。
この鉄骨構造には、軽量鉄骨と重量鉄骨の二種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。
軽量鉄骨は、その名の通り軽量でありながら十分な強度を持ち、建築コストの削減や施工期間の短縮に寄与します。
重量鉄骨はより高い強度と耐久性を持ち、大規模な建築物や特殊な設計要求に適しています。
ヘーベルハウスの建物の構造の種類と特徴は次のとおりです。
- 軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
-
40坪から60坪までの2階建てを建てる場合に使われる構造躯体で、コストパフォーマンスと建物の機能性を兼ね備えています。
- 軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造
-
軽量鉄骨とALC(Autoclaved Lightweight Concrete)を組み合わせた構造で、地震に強く、耐久性があり、設計の自由度が高い特徴があります。
- 重量鉄骨の重鉄制震・システムラーメン構造
-
骨太・肉厚な重量鉄骨の柱と梁を独自システムで強固に接合することで生み出される構造躯体で、大地震や繰り返しの余震にも粘り強く耐え抜きます。
とくにヘーベルハウスの得意分野として認知されているのは、狭小住宅への対応力の高さ。
都市部の狭小住宅の場合、3階建てを検討する方も多いと思いますが、2階建てと異なり、3階建てでは建築基準法における制限が増えます。
特に、家の強度を担保する「構造計算」が義務化されています。
木造住宅では基準をクリアするための構造強化が必要ですが、ヘーベルハウスの鉄骨構造はそのような強化が最小限にすみます。その分、無駄なく土地が活用できる、自由な間取りを実現できます。
ALC「ヘーベル」の特徴
ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)・ヘーベルの特徴は次のとおりです。
- 優れたコンクリート強度を実現
- 内部に含まれた無数の独立気泡が音を吸収
- 過酷な耐火試験をクリアした耐火構造部材
- 高い断熱性能で暑さ・寒さを遮り、結露も防止
ALCコンクリートのヘーベル板は、内部に無数の細かい気泡を含むため、断熱性能に優れており、普通コンクリートの約10倍の性能を持っています。
これにより、建物の暑さや寒さを遮る効果があり、空調を必要とする建築物のランニングコストを低減できます。
ヘーベルハウスの構造に使用されるALCは、耐火性や断熱性能、遮音性に優れており、建物全体の耐久性や快適性を向上させる特徴があります。
独自の断熱材「ネオフォーム」
ヘーベルハウスで使用される断熱材、ネオマフォームは、旭化成建材が製造するフェノールフォーム断熱材で、以下の特徴があります。
- 高断熱性能
-
ネオマフォームは熱伝導率が0.020W/(m・K)というトップクラスの断熱性能を持っています。熱伝導率は断熱性能が高いことを表す数値で、この数値が小さいほど断熱性能が高いとされます。
- 耐燃焼性能
-
フェノール樹脂という素材は強く燃えにくく、火に当たっても燃焼することなく炭化します。
- シックハウス症候群対策
-
ネオマフォームは、シックハウスの評価項目の一つであるホルムアルデヒド放散等級がF☆☆☆☆で、建築基準法上、内装仕上げの規制対象外品として面積制限なしで使用できます。また、4つの化学物質「4VOC(揮発性有機化合物)」についても、放散速度が基準値を大きく下回る結果となり、その安全性が確認されています。
- 長期断熱性能
-
ヘーベルハウスはロングライフを謳っているハウスメーカーで、断熱性能が建てた時は良かったけど、10年、20年したら経年劣化した、ということがないよう、長期断熱性能についても試験を行っているようです。
ヘーベルハウスでは、これらの特性を活かし、断熱材の厚みを増やすことで断熱性能を高めています。
しかし、ヘーベルハウスの断熱性や気密性は木造住宅に比べて低いとの指摘もあります。
そのため、ヘーベルハウスを検討する際は、これらの点を考慮に入れることが重要です。
ヘーベルハウスの強みと弱点|メリット・デメリットを深掘り
ヘーベルハウスのメリット
ヘーベルハウスのメリットとして、次のような内容が挙げられます。
- 耐震性・耐久性が高い
- 火事に強い
- 断熱性に優れ、快適な環境を実現できる
- 遮音性が高い
- アフターフォローが充実
メリット① 耐震性・耐久性が高い
ヘーベルハウスは、ハイパワード制震ALC構造やロッキング工法、重鉄・システムラーメン構造などを採用しており、地震に強い構造を持っています。
基本躯体構造の耐用年数は60年以上を実現しており、長期にわたって安心して住むことができます。
メリット② 火事に強い
ALCやフェノール樹脂製の難燃性断熱材など、耐火構造部材を使用しており、火災時の延焼を遅らせる設計がされています。
これにより、万が一の火災発生時でも家族と財産を守ることが可能です。
メリット③ 断熱性に優れ、快適な室内環境を実現
ヘーベルシェルタードダブル断熱構法により、夏は涼しく冬は暖かい室内環境を実現します。
これにより、一年中快適な生活が可能であり、光熱費の節約にも貢献します。
メリット④ 遮音性が高い
厚さ75mmのALC外壁材や遮音性に優れた床材を使用しており、外部の騒音や室内の生活音を低減します。
静かな室内環境が保たれ、プライバシーが守られます。
メリット⑤ アフターフォローが充実
全国にメンテナンスの拠点があり、万が一のトラブルに迅速に対応します。
将来売却する際にも、ヘーベルハウスのスタッフが査定を行い、一般的な不動産仲介よりも高く査定額を提示することができます。
ヘーベルハウスのデメリット
メリットがある反面、デメリットとして以下のようなことがあります。
- コストが高い
- カスタマイズの制限
- 地域性の考慮が難しい
- 断熱性や機密性に課題
デメリット① コストが高い
ヘーベルハウスの坪単価は100万円を超えるなど、他の住宅メーカーと比較して高価な部類です。
高品質な材料や構造によるものであり、値段に見合った価値があるのは間違いありません。
ただし、予算に制限のある方にとってはデメリットになる可能性があります。
他社の坪単価が気になる方は、ハウスメーカーの売り上げや坪単価をまとめた記事をご覧ください。
デメリット② カスタマイズの制限
ハウスメーカーでは、ある程度のデザインやプランの標準化が行われているため、完全なカスタマイズが難しい場合があります。
住宅やインテリアへ特別なこだわりがある人は注意が必要です。
特に外壁はALCのヘーベル板しか選択できず、ガルバリウムやタイルなど他の外壁材を希望する場合、ヘーベルハウスは適さない可能性があります。
はっきり言って、知ってる人が見ればヘーベルハウスの家は一目で分かります。
他とは違う、デザインこだわりがある方にとっては、その選択肢が限られることがデメリットです。
デメリット③ 地域性の考慮が難しい
全国展開しているハウスメーカーの場合、地域ごとの気候や文化に合わせた細かな対応が難しいことがあります。
設計士の方も全国転勤などがあり、その土地を熟知しているわけではないケースが多いです。
ハウスメーカーとしてのノウハウの蓄積はもちろんありますが、やはりその点では地場の工務店・中小規模のハウスメーカーには劣ります。
デメリット④ 断熱性や気密性の課題
以前は断熱材が薄く、住宅の断熱性能が低かったため、「寒い」という評価がよく見られました。
最近のモデルでは断熱性能が改善されていますが、過去の評価が影響することがあります。
現在ではヘーベルハウスはALCやネオフォーマ等の高性能断熱材によって、断熱性を向上させています。
ユーザー体験と評価
ヘーベルハウスの住み心地
ヘーベルハウスの住み心地は、多くのユーザーから高い評価を受けています。
静かな室内環境を提供する遮音性能は、都市部における住宅選びの重要な要素として評価されています。
アフターフォローについても評価が高く、ハイブランドなだけあって価値ある信頼感が得られます。
ユーザーレビューと後悔の声
ユーザーレビューでは、ヘーベルハウスの高い品質とサービスに対する満足の声が多く聞かれます。
しかし、高価格帯に関する後悔の声もあります。特に、初期投資コストが高いことや、特定のカスタマイズによる追加費用が予想以上だったという意見が見られます。
また、デザインのモダンさが好みでない、あるいは期待したほどの性能を感じられなかったという声も一部にはあります。
ヘーベルハウスの価格帯とコストパフォーマンス
ヘーベルハウスは、高品質で先進的な技術により、高価格帯に位置しています。
初期投資は高いものの、長期的な耐久性と低メンテナンスコストにより、コストパフォーマンスは長期的に見ると高いと評価されています。
まとめ
ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)は、独自の建築技術、高い耐震性と耐火性、優れた断熱性能、そしてモダンでスタイリッシュなデザインで知られています。
この記事では、ヘーベルハウスの概要やブランドイメージ、建築特徴、メリットデメリットについて紹介しました。
ヘーベルハウスの強みは、その耐久性と安全性にありますが、高価格帯という潜在的な弱点も存在します。
ヘーベルハウスを選ぶ際には、初期投資の高さと長期的なメリットを天秤にかける必要があります。その高品質な建築とサービスは、多くの家庭にとって理想的な住まいを提供することができますが、個々のニーズや予算に応じた選択が重要です。
最終的に、ヘーベルハウスは、安全で快適、かつ長期にわたって価値を保つ住宅を求める人々にとって、優れた選択肢の一つであると言えるでしょう。
- 資金計画の相談
- ハウスメーカー・工務店の紹介
- 丁寧なアフターフォロー