毎日の生活に必ずといっていいほど使うものの一つが「お湯」です。
普通のガス給湯器から、省エネ型のエコキュート、エコジョーズもあり、どれを選ぶかは悩ましい問題です。
何を基準で選べばいいのか…?
その中でも省エネナンバー1の給湯器が『エコワン』です。
この給湯器は、エコジョーズとエコワンのいいとこどり。でもメリットばかりではなく、間違えた導入の仕方をすると後悔することになりかねません!
- エコワンの仕組み・種類
- エコワンのメリット
- エコワンで後悔するかもしれないデメリット
- 後悔しないエコワンの選び方
▼ 給湯器を種類別に比較する
エコワン給湯器の仕組みと種類 | ハイブリッド給湯器との違いは?
エコワンにはおもに、次の二つの機能があります。
- 給湯機能
- 暖房機能
給湯機能はお風呂や台所でキッチンで使用する生活用水。暖房機能は温水床暖房などに利用するお湯を作るために使用します。
エコワンを使用することで、これらのお湯を作るエネルギー効率を高めることができ、節約になります。
エコワン給湯器の基本的な仕組みとは?
『エコワン』は、一つの給湯システムの中に「エコキュート」と「エコジョーズ」の両方が入ったシステムになります。
通常、ヒートポンプを使って沸き上げたお湯をタンクに貯めて、そこからお湯を使っていきます。そしてそのお湯がなくなった場合、ガスを使用するエコジョーズで素早くお湯を沸かす仕組みです。
エコキュート部分のタンク容量を小さめにしておくことで、通常のエコキュートのように沸き上げたものの使わないお湯が少なくなり、無駄なくお湯を利用できます。
もしお湯が無くなっても高効率なエコジョーズで瞬時にわき上げるため、お湯切れの心配がありません。
エコキュートとエコジョーズのいいとこどりをしたシステムと思ってもらえばオーケーです。
エコワン給湯器の種類にはどのようなものがあるか?
エコワンの機能としては、主に① 給湯、② 暖房 の二つの機能があります。
その中でも、以下のような種類に分類できます。
- 給湯・暖房共にハイブリッド
- 給湯がハイブリッド、暖房はエコキュートのみを利用
- 給湯がハイブリッド、暖房機能なし
給湯と暖房の両方がハイブリッドで動くシステムの方が当然、光熱費はお得になります。一方で、初期費用は高くなります。
どれだけ利用すればトータルでお得になるかは、メーカーや代理店でシミュレーション可能です。
高機能なシステムを導入して、最終的に損するようになったら元も子もありませんので、事前シミュレーションはしっかりと実施しましょう。
ハイブリッド給湯器との違い
エコワンとハイブリッド給湯器は、名前は違いますが中身は同じものです。
- エコワン:リンナイの商標
- ハイブリッド給湯器:一般名称
現在の所、ハイブリッド給湯器を製造しているのはリンナイとノーリツだけです。リンナイは「エコワン」、ノーリツは「ユコアハイブリッド」という商標で販売されています。
つまり、エコワンというとリンナイの製品です。しかしながら、その語感の良さから一般名称のように呼ばれているというわけです。
エコワン給湯器のメリット | 省エネやコスト削減の効果
エコワン給湯器の最大のメリットは、少ないエネルギー消費で光熱費を抑えることです。
エコワン給湯器がもたらす省エネ効果はNo.1
エコワンの年間の給湯一次エネルギー消費量は、他の給湯器の中でも最も小さく、特に給湯+暖房で消費するエネルギーは段違いに小さいです。
家庭での消費するエネルギーは約65%が給湯と暖房で消費されます。
エコワンを導入することによって、もっとも効果の大きい部分に効くため、省エネ効果はさらに高くなります。
ランニングコストの低減
給湯に必要なエネルギーが小さいということは、それすなわちお湯を沸かすためのコストが小さいということです。
4人家族・都市ガスの使用条件であれば、エコジョーズに比べてエネルギー使用量は約19%減、光熱費は年間で51,100円安くなります(リンナイ エコワン光熱費シミュレーションページから試算)
とくにプロパンガスを利用している地域ではさらにガスの単価が高いため、さらにコスト削減効果は大きくなります。
エコワン給湯器のデメリット | 注意点や問題点とは?
では、エコワンのデメリットにはどのようなものがあるでしょうか?
例えば次のことがデメリットとして挙げられます。
- 初期費用が高い
- オール電化料金が利用できない
- 設置スペースが必要
以下で詳しく解説します。
エコワン給湯器は初期費用が高い
エコワンはエコジョーズとエコキュートが一体となった製品です。給湯の機能が二重にありますので、どうしても高価になってしまいます。
ランニングコストが安いため、長い目で見ればお得です。
それでも、床暖房を使っていなかったり、家族の人数が少ないとお湯の使用量も少ないため、光熱費に差が出にくくなります。
また、そもそものガス単価が安い都市ガスだと、さらにその差は体感しにくいでしょう。
オール電化料金を利用できない
エコワンはエコキュートが組み込まれていますが、ガスも使用するため、オール電化とはなりません。
エコキュートは通常、電気料金単価の安い夜間にお湯を作ることでより節約効果を高めていますが、エコワンではオール電化料金を利用できないため同じようにはいきません。
とは言え、エコワン自体が非常に効率の良い給湯器であるため、決して損というわけではありません。
太陽光発電を搭載している家であれば、エコワンの設定をすれば太陽光で発電した電気を優先的に給湯に使うこともできます。
給湯器本体が大きいため、設置スペースが必要
こちらもエコキュートとエコジョーズの両方がついているため、このようなことが生じます。
両方ついているから単純に二倍!というほどでもありませんが、やはりその存在感はなかなかなもの…
狭小住宅ともなると、その大きさの差も無視できない可能性があります。
エコワン給湯器に向いている人 | 家庭や使用環境に合わせた選び方
ここまで、エコワンのメリットでメリットを解説しました。では一体、どのような人がエコワンの導入に向いているのでしょうか?
給湯量が多く、長時間使用する家庭
エコワンは、使えば使うほど、従来型の給湯器と比較してお得になる給湯器です。逆にいうと、ほとんどお湯を使わない人にとってはそのメリットが感じられにくくなります。
エコワンの用途は給湯だけではありません。
温水床暖房といった暖房機器にも使用できるため、このような設備を導入したいと考えている人には非常におすすめです。
料理にガスを使いたいけど省エネ給湯器を利用したい
料理に使うコンロをガスにするかIHにするか…
新築やリフォームの際に、悩むポイントの一つか思います。
やっぱり料理はガスだよね!という人でも、オール電化にする選択肢がなくなってしまうので、即決とはいかないと思います。
そんなときエコワンであれば、ガスを使いながら給湯にかかるエネルギーを抑えることができるので、オール電化にしなくても光熱費を減らすことができます。
太陽光発電を搭載している家
最近のモデルでは、太陽光発電と連携させて、太陽光で発電した電気を給湯に優先的に使う「PV活用モード」が搭載されています。
太陽光の余剰電力を売電に回すのではなく、給湯に使用できます。
売電単価と使用する電気代を天秤にかけて、もし契約している電気料金単価の方が高いのであれば「PV活用モード」に変えるだけでさらにお得となります。
電力自由化以降、契約できる電気料金体系は多岐に渡るので、最適な組み合わせにすることでさらに光熱費を下げることができます。
電気チョイスのような一括比較サイトを利用すれば、簡単に自分に向いた電力会社が見つかります。
エコワン給湯器の後悔する人 | 失敗例や対処法
逆に、エコワンを導入して後悔してしまう人はどのような人でしょうか?
初期費用の高さを回収できなかった。
エコワンのデメリットのところでも述べましたが、エコワンは「エコジョーズ」と「エコキュート」の両方を一体化しているため、初期費用が高いです。
家族お人数が少なかったりと、お湯の使用量が少ないとエコワンのメリットが得られにくく、初期費用を回収できないことになります。
もともと、そのことを理解していれば特に問題ではありませんが、エコワンで節約を考えて導入して、思うような節約効果が得られなかった時に後悔してしまうことになります。
設置前のシミュレーションが大切
エコワンを設置して後悔しないためには、事前の光熱費シミュレーションが大切です。
現在の電気使用量と将来の家族計画など、お湯の使用量の条件は様々です。
- 家族の構成(将来設計含めて)
- 暖房の種類
- 都市ガスかプロパンガスか
- コンロの種類
給湯器を設置するタイミングで、これから新しい家族を迎えようとしている、お子様が20歳前後で近いうちに家をでる、親と同居を予定している。このように家族構成が近いうちに変わるようなことがある場合は将来的なことも含めて検討しましょう。
エコジョーズ・エコキュートとの比較 | 各種給湯器の特徴と比較検討のポイント
エコワンを導入するかどうかの決め手になるポイントは次のとおりです。
エコワンはガスと電気のいいとこどりができる
エコワンの給湯器は、エコキュート機能で非常に高い熱効率でお湯を沸かすことができます。その上、ガスでも給湯できるのでエコキュートほどたくさんのお湯を沸かして待機しておく必要がありません。
エコキュートで最小限のお湯を準備しておき、足りない分をエコジョーズでまかなう。効率的な給湯方法を取っていると言えます。
エコワンは契約する電力・ガス会社の選択肢が多い
エコキュートだと、夜間電気が安くなるオール電化契約が必須となります。
電力が自由化されたとはいえ、オール電化に対応している電力会社は大手電力会社(東京電力、関西電力など)以外はほとんどありません。そのため、電力会社を変更して節約するといった方法がほとんどできません。
その点、エコワンはオール電化契約ができない代わりに、電力会社を選択する自由度は高いです。
電気チョイスのような一括比較サイトを利用すれば、簡単に自分に向いた電力会社が見つかります。
もともと光熱費が安い家なら不要
家族の人数が少ない、暖かい気候である、といった条件だと、もともとガスや電気の利用料が少なくなります。その場合、エコワンの節約効果は十分に得られず、高い設置費用を払ったことに対しての割が合わないという事態になります。
給湯器の製品寿命は約10年で設計されていますので、10年で費用回収できるかどうかが判断するポイントになります。
給湯器選びに失敗しないための比較検討のポイント
エコワンを導入するかどうかは、以下の点に注意して、専門業者やハウスメーカーに相談しましょう。
- 使用環境や家族構成に合わせた適切な給湯器を選ぶ
- 省エネ性能やコスト面を比較する
- 取り付けやメンテナンスのしやすさを考慮する
- メーカーや販売店の信頼性を確認する
「エコワンをすると後悔する!」
「エコワンはやめとけ!」
といった意見も、ネットを検索していると見かけますが、重要なのは自分に向いているものを選択すること。
検討するにもまず、比較することが大切です。
後悔しないように、あなたにあった給湯器が選択できるようにしましょう。
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