ウエスタンレッドシダーとは、カナダ西部やアメリカ北西部に生育する針葉樹で、赤みを帯びた美しい木肌が特徴です。軽くて加工しやすく、耐久性や防虫性にも優れているため、屋外での使用に適しています。香りも良く、ウッドデッキや外壁材、サイディングなどに多く使われています。経年でシルバーグレーに変化する美しさも魅力です。

名称ウェスタンレッドシダー(ベイスギ)
大分類木材
小分類 針葉樹
特徴 軽くて柔らかいが耐久性が高い。腐朽や害虫に強く、寸法安定性にも優れる。
肌目 木目は比較的まっすぐで、表面は滑らか。赤褐色から淡褐色の美しい色合いが特徴。
香り 特有の芳香(ヒノキに似たさわやかな香り)があり、防虫効果があるとされる。
用途 外装材(サイディング、デッキ材、フェンス)、内装材(天井・壁)、家具、ガーデニング用品など。
産地・メーカー 主にカナダ西海岸(ブリティッシュコロンビア州)やアメリカ北西部(ワシントン州など)で産出。

ウェスタンレッドシダー(ベイスギ)の概要・特徴

ウェスタンレッドシダーは、北米のカナダやアメリカが原産のヒノキ科の針葉樹です。「米杉(ベイスギ)」という名前で呼ばれるため杉の仲間と間違われやすいですが、日本の杉とは全く異なる種類の木です。

見た目の最大の特徴は、色のばらつきが大きいことです。赤褐色、ピンクがかった褐色、淡い黄色など、様々な色が不規則に混じり合っており、これが天然木ならではの豊かな表情を生み出します。

材質は、非常に軽くて柔らかく、加工がしやすいのが利点です。また、天然の防腐・防虫成分を含んでいるため腐りにくく、耐久性が高いのも大きな特徴です。

さらに、乾燥による収縮や変形が非常に少ない「寸法安定性」に優れており、施工後の狂いが生じにくい、非常に優秀な木材です。

ウェスタンレッドシダー(ベイスギ)のメリットとデメリット

メリット

  • 優れた耐久性:天然の成分により、湿気による腐食やシロアリなどの害虫に強く、特に屋外での使用に適しています。
  • 高い寸法安定性:温度や湿度の変化による伸縮や反りが極めて少ないため、施工後に隙間ができたり、板が変形したりするトラブルが起こりにくいです。
  • 軽量で施工性が良い:非常に軽いため、運搬や現場での取り扱いが楽です。特に外壁などの高所での作業性に優れています。
  • デザイン性が高い:色の濃淡が織りなす自然なグラデーションが美しく、外壁や天井に使うと高級感のある仕上がりになります。

デメリット

  • 傷がつきやすい:材質が柔らかいため、物をぶつけたりするとへこみや傷がつきやすいという弱点があります。
  • コストが高い:優れた性能を持つ人気の輸入材であるため、一般的な杉材などに比べて価格は高価になります。
  • シルバーグレーへの経年変化:屋外で雨風や紫外線にさらされると、表面の色が抜けていき、年月とともに美しいシルバーグレーに変化します。この変化を「味」と捉えるかどうかがポイントになります。
  • 施工時の注意点:鉄の釘を使用すると、木材の成分と反応して黒いシミ(鉄汚染)が発生するため、ステンレス製の釘を使う必要があります。

ウェスタンレッドシダー(ベイスギ)の用途

ウェスタンレッドシダーは、その優れた耐久性と寸法安定性から、特に屋外でその真価を発揮します。

  • 外壁材:最も代表的な用途で、外壁用の羽目板(サイディング)として高い人気を誇ります。住宅の外観に高級感と温かみを与えます。
  • 外構材:腐りにくさを活かして、ウッドデッキフェンス、庭のパーゴラ(つる棚)など、雨に濡れる場所の材料として最適です。
  • 内装材:軽量さとデザイン性の高さから、天井板としてよく採用されます。リビングの勾配天井などに使うと、空間のアクセントになります。
  • 水回り:湿気に強いため、浴室や洗面所の壁・天井材としても使用されます。