セメントや樹脂に天然石やガラス片を混ぜて研磨した人造石で、独特の模様と高い耐久性が特徴です。床やカウンターなどに使われ、デザイン性の高さから近年再注目されています。継ぎ目が少なく、メンテナンス性も良好です。打設や研磨工程が必要なため、施工には技術を要します。
名称 | テラゾー |
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大分類 | 石材 |
小分類 | 人工石 |
特徴 | セメントまたは樹脂を結合材として、大理石やガラス、貝殻などの骨材を混ぜて成形・研磨した複合建材。無機系と樹脂系がある |
肌目 | 表面は滑らかで光沢があり、骨材の粒が美しく見える独特の模様。色や粒の大きさを変えることで多彩なデザイン表現が可能 |
用途 | 床材・階段・カウンター・洗面台・壁面パネル・インテリア仕上げなど。耐久性・意匠性に優れ、商業施設やホテルにも多用される |
産地・メーカー | 原材料は世界各地から入手可能。国内では愛知・岐阜・大阪などで製造加工されており、日本独自のモダンテラゾーも展開中 |
テラゾーの概要・特徴
テラゾーは、大理石などの石の粒(種石:たねいし)を、セメントや樹脂などの結合材(バインダー)と混ぜ合わせ、硬化させた後に表面を研磨して滑らかに仕上げた人造石の一種です。
最大の特徴は、デザインの自由度が極めて高いことです。ベースとなるセメントや樹脂の色、そして中に練り込む石やガラス片の種類・色・大きさを自由に組み合わせることで、世界に一つだけのオリジナルな模様を作り出すことができます。
施工方法には、現場で材料を練って床などに直接流し込む「現場打ち」と、あらかじめ工場でタイル状に加工された「テラゾータイル」を貼り付ける方法があります。現場打ちの場合、広範囲にわたって継ぎ目のないシームレスな床面を実現できるのも大きな特徴です。
テラゾーのメリットとデメリット
メリット
- 唯一無二のデザイン性:材料の組み合わせ次第で、モダンにもクラシックにも、またカラフルにもシックにも、多彩な表現が可能です。
- 高い耐久性と耐摩耗性:非常に硬く丈夫なため、人が多く歩く店舗や公共施設の床にも使われるほど、傷や摩耗に強いです。
- メンテナンスが容易:表面が滑らかで、継ぎ目(目地)が少ないため、汚れが溜まりにくく、掃除がしやすいです。
- 高級感のある仕上がり:研磨された表面は美しい光沢を持ち、空間に独特の高級感とオリジナリティを与えます。
デメリット
- 非常に高価:材料費に加え、現場での研磨作業など、高度な専門技術を持つ職人による手間のかかる施工が必要なため、コストは非常に高額になります。
- ひび割れの可能性:特にセメント系の現場打ちの場合、下地の建物の動きなどによって、ひび割れ(クラック)が生じることがあります。
- 硬く、冷たい質感:石材と同様に非常に硬いため、食器などを落とすと割れやすいです。また、冬場は足元が冷たく感じられることがあります。
- 滑りやすい場合がある:鏡面のように磨き上げられた仕上げの場合、水に濡れると滑りやすくなることがあります。
テラゾーの用途
テラゾーは、その高い意匠性と耐久性を活かして、デザイン性を重視する空間で幅広く使われます。
- 床材:住宅のリビングや玄関ホール、店舗、ホテル、美術館などの床。空間の主役となるデザイン性の高い床を実現します。
- キッチンカウンター・天板:特に樹脂系のテラゾーは、吸水性が低く、デザインも豊富なため、オリジナリティのあるキッチンカウンターとして使われます。
- 壁材:アクセントウォールとして壁面に用い、空間にアートな雰囲気をもたらします。
- 家具・什器:テーブルの天板や、洗面ボウル、店舗のカウンターなど、造作家具や什器にも利用されます。