素焼きの粘土で作られた焼成建材で、温かみのある色合いとナチュラルな質感が特徴です。吸水性が高く滑りにくいため、床材として人気がありますが、汚れやすいため定期的なメンテナンスが必要です。素朴で味のある雰囲気が、南欧風の住宅などにマッチします。耐久性を高めるために表面処理が施されることもあります。
名称 | テラコッタ |
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大分類 | セラミック・タイル |
小分類 | レンガ |
特徴 | 粘土を素焼き(低温焼成、900~1,050℃程度)した多孔質のセラミック素材。着色はせず、粘土本来の赤褐色を活かす |
肌目 | ザラつきのある素朴で温かみのある質感。マットな表面で、使い込むほど味が出る。滑りにくいのも特徴 |
用途 | 床材・外壁・花壇・屋根材(テラコッタ瓦)・鉢・装飾材など。特に南欧風・ナチュラルスタイルの住宅に人気 |
産地・メーカー | 主にイタリア・スペイン・メキシコなどの地中海諸国が本場。日本国内では特定の産地は少ないが、一部陶器産地で製造あり |
テラコッタの概要・特徴
テラコッタとは、イタリア語の「焼いた(cotta)土(terra)」を語源とする、粘土を素焼きにして作られた建材のことです。
一般的にオレンジや茶系の、土そのものの温かみを感じさせる素朴な色合いが特徴です。一枚一枚の焼き色や形が微妙に異なるため、自然でナチュラルな雰囲気を演出できます。
表面に目に見えないほどの小さな穴がたくさん開いている「多孔質(たこうしつ)」という性質を持っており、これがテラコッタの吸水性や調湿性といった特徴につながっています。
テラコッタのメリットとデメリット
メリット
- 温かみのあるデザイン性:自然素材ならではの素朴な風合いと色合いが、空間に温かみと落ち着きを与えます。年月とともに風合いが増す経年変化も魅力です。
- 調湿効果:多孔質な性質により、湿度の高い時には湿気を吸収し、乾燥している時には水分を放出するため、室内の湿度を快適に保つ助けになります。
- 蓄熱性・断熱性:熱を蓄える性質があるため、冬は床暖房の熱を保ちやすく、夏はひんやりとした感触が得られます。
デメリット
- 吸水性が高く、汚れやすい:水を吸いやすいため、醤油や油、ワインなどをこぼすとシミになりやすいです。特にキッチンなどで使用する際は、撥水効果のあるワックスやシーラー剤での保護が推奨されます。
- 衝撃に弱い:陶器であるため、硬い物を落とすと割れたり欠けたりする可能性があります。
- コストが高い傾向:輸入品が多く、一枚ずつ手作業で貼る必要があるため、一般的なタイルやフローリングに比べて材料費・施工費ともに高くなることがあります。
テラコッタの用途
テラコッタは、その独特の風合いから、家の内外の様々な場所でアクセントとして使用されます。
- 床材(タイル):玄関の土間、キッチン、ダイニング、リビングなどの床に使われます。特に南欧風やプロヴァンス風、カントリー調のインテリアで人気があります。
- 壁材:内装のアクセントとして壁の一部に貼ることで、空間に立体感と温かみを加えることができます。
- 外装材:玄関アプローチやパティオ(中庭)の床、屋根瓦(スパニッシュ瓦など)として使用され、建物に個性的な表情を与えます。