火山活動で生まれた多孔質の石材で、非常に軽量で断熱性・通気性に優れています。内外装のアクセントや花壇・外構資材などにも使われます。表面が粗く個性的な見た目を持ちますが、強度はあまり高くありません。吸音性もあるため、一部では内装材としても利用されます。
名称 | 軽石/火山岩 |
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大分類 | 石材 |
小分類 | 自然石 |
特徴 | 火山噴火によって噴出したマグマが急冷・発泡してできた多孔質の火山岩(軽石・スコリアなど)。主成分はガラス質や斑晶を含む火山物質 |
肌目 | 表面は多孔質で非常に軽く、ざらざらとした粗い質感。色は**白灰色(軽石)〜赤黒・黒色(スコリア)**まで多様 |
用途 | 屋上緑化の土壌改良材、園芸用土、擁壁材、ガーデニング資材、耐火断熱材、景観石材として使用される。近年は外構舗装材にも利用 |
産地・メーカー | 国内では伊豆大島・三宅島・鹿児島(桜島)・北海道(有珠山など)など、火山帯地域で産出。海外ではイタリア・アイスランド・インドネシアなどが有名 |
軽石/火山岩の概要・特徴
火山岩とは、マグマが地表や地表近くで急速に冷え固まってできた岩石の総称です。その一種である軽石(かるいし)は、マグマが冷える過程で内部のガスが抜け、無数の小さな穴(孔)が空いた、非常に軽い石です。
建築材料としては、軽石そのものが直接使われることは稀で、主にその「軽さ」と「多孔質(穴がたくさんあること)」という特性を活かした加工品が利用されます。
代表的なものに、軽石を骨材として使った「軽石コンクリートブロック」や、同じ火山噴出物である「シラス」を利用した「シラス壁」、溶岩石をタイル状に加工したものなどがあります。これらは、一般的な石材にはない断熱性や調湿性、独特の風合いを持つことが特徴です。
軽石/火山岩のメリットとデメリット
メリット
- 軽量性:非常に軽いため、建物への構造的な負担を軽減できます。施工時の運搬や取り扱いも比較的容易です。
- 優れた断熱性:内部に多くの空気を含むため熱を伝えにくく、断熱効果が期待できます。夏の暑さや冬の寒さを和らげる助けになります。
- 調湿・消臭効果:シラス壁などに代表されるように、多孔質な構造が室内の湿気を吸ったり吐いたり(調湿)、気になるニオイを吸着したりする効果を持ちます。
- 独特の意匠性:自然素材ならではの素朴で温かみのあるテクスチャーが、個性的な空間を演出します。
デメリット
- 吸水性が高い:水を吸いやすいため、屋外で使う場合は防水処理が必要になることがあります。また、汚れが染み込みやすいです。
- 強度が低い:一般的なコンクリートや御影石などに比べると、圧縮強度や曲げ強度が劣ります。建物の構造を支える部分には使えません。
- もろい性質:表面が欠けたり、削れたりしやすいため、人がよくぶつかる場所などでの使用には注意が必要です。
軽石/火山岩の用途
軽石や火山岩を原料とした建材は、その特性に応じて様々な場所で利用されています。
- 軽石コンクリートブロック:沖縄などの地域で、住宅の間仕切り壁や外壁として伝統的に使われています。
- シラス壁:内装用の塗り壁材として、リビングや寝室、和室などに。調湿効果や消臭効果を期待して採用されます。
- 溶岩石タイル・パネル:内外装の壁や床に、デザインのアクセントとして。重厚感と自然な風合いを演出します。
- 軽量骨材:コンクリートに混ぜ込む材料として。コンクリート自体の重さを軽くする目的で使われます。