塩ビなどの樹脂素材で作られた外壁材で、軽量で耐候性・耐水性に優れています。色あせしにくく、塗り替えの必要がほとんどないため、メンテナンスコストを抑えられます。寒冷地でも割れにくく、海外では一般的に使われています。見た目の質感はやや樹脂感が残るため、好みが分かれることもあります。
名称 | 樹脂サイディング |
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大分類 | 樹脂(プラスチック系) |
小分類 | 高機能樹脂製品 |
特徴 | 主に塩化ビニル樹脂(PVC)を原料とした外壁材。添加剤を加えることで耐候性・耐衝撃性を高めている |
肌目 | 表面はなめらかで軽い光沢があり、木目調・ラップサイディング風などの意匠加工が施されていることが多い |
用途 | 主に戸建住宅の外壁材として使用。軽量・防水・メンテナンス性に優れ、北米では主流の外装材。日本でも寒冷地を中心に普及 |
産地・メーカー | 北米(アメリカ・カナダ)が主産地。日本では旭トステム外装、タキロンシーアイなどが製造・輸入販売を行っている |
樹脂サイディングの概要・特徴
樹脂サイディングは、主成分がPVC(塩化ビニル樹脂)でできた、板状の外壁材です。特に、住宅の外壁メンテナンスに対する考え方が進んでいる北米で広く普及しています。
最大の特徴は、素材自体に色が練り込まれているため、塗装による着色が不要な点です。これにより、経年による色褪せが非常に少なく、サイディングの大きなメンテナンスである再塗装が原則として不要になります。
また、非常に軽量で、弾力性に富んでいるため、地震の揺れにも強く、物が当たってもへこみや割れが起きにくいという性質も持っています。
樹脂サイディングのメリットとデメリット
メリット
- メンテナンス性に優れる:素材に色が練り込まれているため、塗り替えが不要です。長期的な維持管理コストを大幅に削減できます。
- 高い耐久性:錆びたり腐ったりすることがなく、特に塩害に非常に強いです。沿岸部の住宅にも適しています。
- 軽量で耐震性が高い:窯業系サイディングなどに比べて非常に軽いため、建物への負担が少なく、地震時の揺れを軽減する効果が期待できます。
- 衝撃に強い:弾力性があるため、ボールが当たるなどの軽い衝撃では割れたりへこんだりしにくいです。
デメリット
- デザインの選択肢が少ない:窯業系サイディングに比べると、色やデザイン、テクスチャのバリエーションは限られます。
- 初期コストが比較的高め:製品自体の価格や、専門的な施工技術が必要なため、一般的なサイディングに比べて初期費用が高くなる傾向があります。
- 施工できる業者が限られる:日本ではまだ普及率が低いため、施工に慣れた専門業者が少ないのが現状です。業者選びが重要になります。
- 熱による伸縮:プラスチックの性質上、温度変化によって伸縮します。施工の際には、この伸縮を考慮した専用の工法が必要です。
樹脂サイディングの用途
樹脂サイディングは、その優れた性能から、主に住宅の外装材として使用されます。
- 住宅の外壁材:新築住宅での採用はもちろん、既存の壁の上から重ねて張る「カバー工法(重ね張り)」によるリフォームにも非常に適しています。
- 塩害が懸念される地域の外壁:錆びない性質を活かし、沿岸部の住宅で特に効果を発揮します。
- メンテナンスの手間を減らしたい住宅:長期的に塗り替えの手間や費用をかけたくない場合に最適な選択肢となります。