フレーム部分を樹脂で形成した窓で、断熱性・気密性に非常に優れています。結露しにくく、寒冷地の住宅に多く採用されています。アルミに比べて熱を伝えにくいため、冷暖房効率の向上に貢献します。紫外線や変色への対策として、表面に耐候処理を施すこともあります。
名称 | 樹脂製サッシ(樹脂窓) |
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大分類 | 樹脂(プラスチック系) |
小分類 | 高機能樹脂製品 |
特徴 | ポリ塩化ビニル(PVC)を主原料としたフレーム材。断熱性を高めるため、内部に中空構造や補強材(鋼材)を内蔵することもある |
肌目 | 表面はなめらかで光沢のある仕上げ。カラーはホワイト系や木目調ラミネートなど、外観に合わせたバリエーションがある |
用途 | 住宅用の窓枠(サッシ)として使用。高断熱・高気密・防音性を重視した寒冷地やZEH住宅、パッシブハウスに最適 |
産地・メーカー | 日本ではYKK AP、LIXIL、エクセルシャノン、三協アルミなどが製造・販売。北海道・東北などの寒冷地での普及率が高い |
樹脂製サッシ(樹脂窓)の概要・特徴
樹脂製サッシは、フレーム(窓枠)の主材料がPVC(ポリ塩化ビニル)でできた窓のことです。「樹脂窓」や「プラスチックサッシ」とも呼ばれます。
最大の特徴は、一般的なアルミサッシに比べて圧倒的に熱を伝えにくい(断熱性が高い)ことです。樹脂の熱伝導率は、アルミニウムの約1000分の1と言われており、外の暑さや寒さが室内に伝わるのを効果的に防ぎます。
また、フレームの内部は複数の空洞(中空構造)に仕切られています。この空気の層がさらに断熱性能を高め、結露の発生を強力に抑制します。高い断熱性能と気密性能から、省エネ意識の高い現代の家づくりにおいて、標準的な選択肢となりつつあります。
樹脂製サッシ(樹脂窓)のメリットとデメリット
メリット
- 極めて高い断熱性:夏の熱気や冬の冷気の侵入を大幅にカットし、冷暖房の効率を向上させます。これにより、光熱費の削減に繋がります。
- 結露を強力に抑制:窓枠が冷えにくいため、ガラスだけでなくフレーム部分の結露も防ぎます。カビやダニの発生を抑え、健康的な室内環境を保ちます。
- 優れた気密性と防音性:フレームの密閉度が高いため、隙間風を防ぎ、外の騒音の侵入や室内の音漏れを軽減する効果があります。
- デザインが豊富:樹脂の加工性を活かし、様々なカラーバリエーションや、本物のような木目調のデザインがあります。
デメリット
- コストが高い:一般的なアルミサッシに比べて、製品の価格が高価になります。
- 紫外線による劣化の可能性:アルミに比べると紫外線に弱く、長年の使用で色褪せなどが起こる可能性があります(近年の製品は耐候性が大幅に向上しています)。
- フレームが太くなりがち:アルミと同じ強度を出すために、窓枠が太くなる傾向があり、ガラス面が少し小さくなる場合があります。
- 防火地域での制約:アルミに比べて熱に弱いため、防火地域や準防火地域では、使用できる製品が限られたり、防火認定を受けた高価な製品が必要になったりします。
樹脂製サッシ(樹脂窓)の用途
樹脂製サッシは、その高い断熱・気密性能を活かし、住宅の快適性と省エネ性能を高めるために、あらゆる窓に使用されます。
- 住宅の窓全般:リビングの掃き出し窓、寝室や子供部屋の窓、トイレや浴室の小窓など、場所を問わず採用されます。
- 高気密・高断熱住宅:住宅全体の性能を高めるための必須アイテムとして、標準的に採用されます。
- 寒冷地・温暖地:冬の寒さや夏の暑さが厳しい地域では、特にその性能を発揮します。
- 結露対策:北側の部屋や、加湿器をよく使う寝室など、結露に悩まされやすい場所で非常に効果的です。