パーティクルボードとは、木材の端材やおがくずを接着剤で固めて板状に成型した人工の木質ボードです。表面は滑らかで加工しやすく、家具や造作材によく使われます。比較的安価ですが、水や湿気に弱く、重さのわりに強度はあまり高くありません。表面に化粧シートを貼ることで見た目を良くすることもできます。

名称パーティクルボード
大分類木材
小分類 合板・集成材
特徴 木材を細かく砕いた木片(チップ)やおがくずを接着剤で圧縮成形した木質系ボード。合板やMDFより粗めの素材感がある。
肌目 表面は滑らかに仕上げられているが、断面はチップの粒子が見えるザラついた質感。素地では吸水しやすい。
香り 樹種によって異なるが、接着剤由来のにおいを感じることがある。強くはない。
用途 家具(棚板・デスク)やキッチン収納、床の下地材、建具の芯材など、主に内装で使用される。低コスト品の構造材としても使われる。
産地・メーカー 日本国内の多くの木材加工会社で製造。住友林業、セイホク、大建工業などが代表的メーカー。世界的には中国、ドイツ、アメリカなどでも生産されている。

パーティクルボードの概要・特徴

パーティクルボードは、木材を細かく粉砕した小片(パーティクル)や、製材時に出る削りくずなどを、接着剤で固めて板状に成形した木質ボードの一種です。

合板やOSBよりもさらに細かい木片から作られており、木材のチップやリサイクル材などを有効活用できるため、非常に安価なのが大きな特徴です。

材質が均質で、反りや伸縮といった寸法変化がほとんどないため、加工性に優れています。表面は比較的滑らかですが、断面を見ると細かい木片がぎっしり詰まっているのがわかります。

メリット

  • 非常に安価:木質ボードの中でも特にコストが低く、大量生産される製品のコストダウンに貢献します。
  • 優れた寸法安定性:天然木と違って、温度や湿度の変化による反りや割れがほとんど発生しません。
  • 加工が容易:材質が均一なため、切断などの加工がしやすく、平滑な面が得られます。
  • エコな材料:通常は廃棄される細かい木片やリサイクル材から製造できるため、環境負荷が少ないです。

デメリット

  • 水に極めて弱い:水分を吸収すると膨張してボロボロになり、強度が著しく低下します。一度濡れると元に戻りません。
  • 強度が低い:曲げや衝撃に対する強度は高くないため、構造的な役割を担う場所には使用できません。
  • ネジの保持力が弱い:一度締め付けたネジを抜くと穴が崩れ、再度締めても効きが悪くなります。
  • 重量がある:木片を高密度で固めているため、同じ体積の無垢材や合板に比べて重くなります。

パーティクルボードの用途

パーティクルボードは、その特性から、直接大きな力がかからず、水に濡れる心配のない場所で、主に下地材や芯材として使われます。

  • 家具の芯材:安価な組み立て家具の棚板やテーブルの天板などで、表面に化粧シートを貼った「フラッシュ構造」の芯材として最も広く利用されています。
  • キッチンのキャビネット:システムキッチンの扉やキャビネット本体(箱)の材料として、コストを抑えるために多用されます。
  • 床の下地材(捨張り):構造用床合板の上に重ねて張る「捨張り」として、床の平滑性を高めたり歩行音を軽減したりする目的で使われます。