石灰岩が変成してできた美しい模様の天然石で、滑らかな質感と高い装飾性が魅力です。内装材(床・壁・カウンター)として多く使われますが、酸や水に弱く、シミや劣化に注意が必要です。定期的なメンテナンスで美しさを保つ必要があります。高級感を演出したい空間に適しています。

名称大理石(マーブル)
大分類石材
小分類 自然石
特徴 石灰岩が高温・高圧によって変成した結晶質の天然石材(変成岩)。主成分は炭酸カルシウム(CaCO₃)
肌目 表面は**滑らかで光沢があり、美しい縞模様(マーブル模様)**が特徴。やわらかく、温かみと高級感のある質感
用途 内装の床・壁・階段・カウンター・テーブル天板・洗面台などに使用。装飾性が高く、ホテルや邸宅などで重用される
産地・メーカー 世界的な産地はイタリア(カルララ)、スペイン、ギリシャ、トルコなど。国内では茨城県大成町(大成石)などがある

大理石(マーブル)の概要・特徴

大理石(だいりせき)は、石灰岩が地中の熱と圧力によって変化(再結晶)してできた天然石です。英語の「マーブル」という名前でもよく知られています。

最大の特徴は、流れるような優雅で美しい模様です。この独特の縞模様は、一つとして同じものはなく、空間に非常に高い高級感とエレガントな雰囲気をもたらします。色は純白のものから、ベージュ、黒、緑など多彩なバリエーションがあります。

物理的な特徴として、同じ石材である御影石に比べると比較的柔らかく、加工がしやすいという点が挙げられます。しかしその反面、主成分が炭酸カルシウムであるため、酸に非常に弱いというデリケートな性質も持っています。

大理石(マーブル)のメリットとデメリット

メリット

  • 唯一無二の意匠性:気品あふれる美しい模様と色合いは、他のどんな素材にも代えがたい高級感を空間に与えます。
  • 加工のしやすさ:比較的柔らかいため、複雑な形状や彫刻的なデザイン加工にも対応しやすいです。
  • ひんやりとした質感:熱を伝えやすいため、触れるとひんやりとした独特の感触があります。

デメリット

  • 酸に弱い:お酢、レモン汁、ワイン、炭酸飲料などの酸性の液体が付着すると、表面が溶けて光沢が失われたり、シミになったりします。キッチンのカウンターなどでの使用には細心の注意が必要です。
  • 柔らかく傷がつきやすい:御影石に比べて柔らかいため、表面に傷がつきやすいです。床材として使用する場合は、家具の引きずりや硬い物の落下に注意が必要です。
  • 吸水性が高い:水分を吸収しやすいため、醤油やコーヒーなどをこぼして放置するとシミになる可能性があります。定期的な保護剤の塗布が必要になる場合があります。
  • 非常に高価:希少な天然素材であるため、材料費・加工費・施工費のすべてが高額になります。

大理石(マーブル)の用途

大理石は、そのデリケートな性質から、主に傷や酸の影響を受けにくい、内装の装飾的な場所で使われます。

  • 内装の床・壁:ホテルのロビーや高級マンションのエントランスホール、住宅のリビングのアクセントウォールなど、空間の格式を高めたい場所。
  • 建具の枠・框(かまち):ドアの枠や、玄関の上がり框、床の見切り材など、部分的に使うことで空間を引き締めます。
  • カウンター類:ニッチ(飾り棚)や、マントルピース(暖炉の飾り枠)の天板など。洗面カウンターにも使われますが、化粧品や洗剤の扱いに注意が必要です。