天然繊維の中でも通気性・吸湿性に優れた素材で、調湿機能が求められる内装材や壁紙、カーテンに使われます。ジュートは素朴な風合い、ラミーは光沢感があり、インテリアの質感向上にも寄与します。抗菌性・防カビ性にも優れており、エコ素材として注目されています。ただし、紫外線や摩耗にはやや弱く、屋外や高摩耗部には不向きです。

名称麻(ジュート、ラミー)
大分類繊維・布・紙系
小分類 天然繊維
特徴 ジュート(黄麻)やラミー(苧麻)など、天然の麻繊維からなる植物性繊維。繊維の種類により光沢・強度・質感が異なる
肌目 表面はざらつきがあり、自然で素朴な風合い。ジュートは粗くマットな質感、ラミーはやや光沢があり繊細な見た目
用途 壁紙(麻クロス)、カーペット、吸音材、装飾パネル、畳の縁、インテリア資材など。通気性・調湿性・意匠性に優れる
産地・メーカー ジュートはバングラデシュ・インドなど南アジア、ラミーは中国・フィリピン・ベトナムなど東南アジアが主産地。日本では加工・仕上げが中心

麻(ジュート、ラミー)の概要・特徴

麻は、植物の茎などから作られる天然繊維の総称です。家づくりにおいては、その自然な風合いや機能性から、主に壁紙やカーペットなどの内装材として利用されます。

代表的な麻の種類として「ジュート」と「ラミー」があり、それぞれに異なる特徴があります。

  • ジュート(黄麻):コーヒー豆の袋などにも使われる、ザックリとした素朴な質感が特徴です。丈夫で耐久性が高く、優れた通気性や調湿性を持っています。コストが比較的安価で、ナチュラルで温かみのある雰囲気を演出します。
  • ラミー(苧麻):麻の中でも非常に強い強度を誇り、水に濡れるとさらに強くなるという性質があります。また、シルクのような美しい光沢としなやかさを持ち、上品で高級感のある空間づくりに適しています。

麻(ジュート、ラミー)のメリットとデメリット

メリット

  • 自然素材ならではの風合い:ビニルクロスなどにはない、温かみのある独特の質感や表情が、心地よい空間を作り出します。
  • 優れた調湿性:繊維が湿気を吸ったり吐いたりするため、室内の湿度を快適に保つ手助けをします。
  • 耐久性が高い:繊維が丈夫なため、引っ張りなどの力に強く、長持ちします。
  • 環境負荷が少ない:植物由来の再生可能な資源であり、土に還るため、環境に優しい素材です。

デメリット

  • シミになりやすい:吸水性が高いため、コーヒーやジュースなどをこぼすと、シミになってしまう可能性があります。
  • 毛羽立ちやすい:繊維が毛羽立って、ホコリが出やすいことがあります。また、服などが擦れると、繊維が付着することがあります。
  • コストが比較的高め:一般的なビニルクロスなどに比べて、材料費・施工費ともに高価になる傾向があります。
  • 色ムラや個体差がある:天然素材であるため、ロットによって色合いや織りムラに若干の違いが生じることがあります。

麻(ジュート、ラミー)の用途

麻は、その自然な素材感を活かして、主に内装の仕上げ材として使われます。

  • 壁紙(麻クロス):リビングや寝室、和室などの壁や天井に。空間に落ち着きと高級感を与えます。
  • カーペット・ラグ:特にジュートは、その耐久性からカーペットの裏地(基布)として広く使われるほか、表面の素材としても、夏場でもサラッとした足触りのラグとして人気があります。
  • 畳の部材:高級な畳の経糸(たていと)や、畳縁(たたみべり)に、その高い強度と風合いを活かして使われることがあります。
  • カーテン・ブラインド:光を柔らかく通すため、カーテンやロールスクリーンなどのウィンドウトリートメントとしても利用されます。