石膏ボードとは、石膏を芯材にして紙で挟んだ建築材料で、主に壁や天井の下地として使われます。耐火性や遮音性に優れ、加工もしやすいため施工性が高いのが特徴です。比較的安価で入手しやすく、住宅から商業施設まで幅広く使用されています。ただし、水に弱いため湿気の多い場所では注意が必要です。
名称 | 石膏ボード |
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大分類 | ボード・パネル材 |
小分類 | - |
特徴 | 石膏(硫酸カルシウム)を芯材とし、両面を厚紙で挟んだ板状建材。軽量で加工しやすい。 |
肌目 | 表面は平滑でなめらか。仕上げ材(クロスや塗装)を貼る下地として使われる。 |
用途 | 壁・天井の下地材として使用される。耐火性・遮音性に優れ、住宅からビルまで幅広く使用。 |
産地・メーカー | 日本全国で流通。主なメーカーは吉野石膏、チヨダウーテ、タイガーボード(YOSHINO)など。 |
石膏ボードの概要・特徴
石膏ボードとは、焼石膏(しょうせっこう)を主成分とする芯材を、両面から特殊な厚紙で挟んで板状に成形した建築材料です。「プラスターボード」や「PB」とも呼ばれます。
現代の住宅建築において、壁や天井の下地材として最も広く使われている、なくてはならない材料です。このボードの上に壁紙(クロス)を貼ったり、塗装をしたりして内装を仕上げていきます。
最大の特徴は、非常に優れた耐火性です。石膏の成分中に約21%の結晶水が含まれており、火災時にはこの水分が蒸発することで熱の伝わりを遅らせ、燃え広がるのを防ぎます。
また、加工がしやすく、非常に安価であるため、施工性とコストパフォーマンスに大変優れています。
メリット
- 優れた耐火性:火に強く燃えにくいため、火災時の安全性を高め、法定の防火材料としても認定されています。
- 高い遮音性:音を伝えにくい性質があり、隣室への音漏れを軽減します。
- 加工が容易:カッターナイフで簡単に切断でき、現場での作業性が高く、工期短縮に貢献します。
- 非常に安価:大量生産されているため、建築コストを抑える上で重要な役割を果たします。
デメリット
- 水に弱い:通常の石膏ボードは水や湿気に非常に弱く、濡れると強度が大幅に低下し、カビの原因になります。
- 衝撃に弱い:表面が柔らかいため、硬いものをぶつけるとへこみや穴が開きやすいです。
- 重いものを取り付けられない:ネジや釘の保持力が低く、棚や手すりを直接取り付けるには下地補強が必要です。
石膏ボードの用途
石膏ボードは、その特性から主に内装の下地材として、住宅のあらゆる場所で使われています。
- 壁の下地材:部屋の間仕切りや外周壁の内側に張り、この上にクロスを貼って仕上げます。
- 天井の下地材:天井にも同様に張り、その上にクロスや塗装で仕上げます。
使用場所に応じて、以下の種類を使い分けます:
- 一般用石膏ボード:リビングや寝室など標準的な場所に使用。
- 耐水石膏ボード:キッチンや洗面所など、湿気が多い場所に適しています。
- 強化石膏ボード:耐火性や耐衝撃性を強化したい壁や天井に採用されます。