ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛の合金メッキを施した鋼板で、錆びにくく耐久性に優れています。軽量で加工しやすく、屋根や外壁材として広く使われています。見た目もスタイリッシュで、モダンな住宅デザインに人気があります。価格はやや高めですが、メンテナンスの手間が少ないのが特徴です。

名称ガルバリウム鋼板
大分類金属
小分類 鉄系
特徴 鋼板の表面にアルミニウム・亜鉛・シリコンの合金をメッキした複合金属素材。耐食性と耐久性に優れる。
肌目 表面はややマットで光沢のある仕上がり。製品により凹凸模様(エンボス加工)や平滑なものもある。
用途 屋根材、外壁材、雨どい、倉庫やガレージの外装など、主に建築の外装に使用される。軽量で施工性も良い。
産地・メーカー 日本国内ではJFEスチールや日鉄鋼板などが製造。アメリカ(Bethlehem Steel)が最初に開発した。

ガルバリウム鋼板の概要・特徴

ガルバリウム鋼板は、アルミニウム、亜鉛、シリコンを混ぜた合金でメッキした鉄の板(鋼板)です。「ガルバ」と略して呼ばれることもあります。

この特殊なメッキ層が、鉄の最大の弱点である「錆び」を長期間にわたって防ぎます。これにより、非常に高い耐久性と防錆性を実現しているのが最大の特徴です。

また、日本瓦やセメント系の外壁材に比べて非常に軽いため、建物への負担を軽減できるという利点もあります。デザイン面では、金属ならではのシャープでモダンな質感が特徴で、様々な色や形状があるため、スタイリッシュな外観の家で人気が高い材料です。

ガルバリウム鋼板のメリットとデメリット

メリット

  • 耐久性が高い:メッキ層が鋼板を強力に保護するため、錆びにくく、長期間にわたって美観と性能を維持します。
  • 軽量で耐震性に有利:瓦などに比べて非常に軽いため、建物の重心が低くなり、地震の際の揺れを小さくする効果が期待できます。
  • デザイン性が高い:すっきりとしたモダンな外観をつくりやすく、色のバリエーションも豊富です。縦張りや横張りなど、張り方によっても印象を変えられます。
  • メンテナンスが容易:基本的に錆びにくく、汚れも雨で流れ落ちやすいため、メンテナンスの手間が比較的かかりません。

デメリット

  • 傷がつきやすい:表面に硬いものが強く当たると、メッキ層に傷がつき、そこから錆が発生する可能性があります。
  • へこみやすい:薄い金属板のため、強い衝撃を受けるとへこんでしまうことがあります。
  • 雨音が響きやすい:金属製のため、特に屋根に使用した場合、雨音が響きやすい傾向があります。断熱材や制振材を併用することで対策が可能です。
  • 断熱性は高くない:金属自体に断熱性能はないため、快適な室内環境を保つには、断熱材と組み合わせることが必須となります。

ガルバリウム鋼板の用途

ガルバリウム鋼板は、その特性から主に建物の外回りで幅広く使用されます。

  • 屋根材:軽量性と耐久性から、最も多く採用される用途です。「縦葺き(たてぶき)」や「横葺き(よこぶき)」など、様々な工法があります。
  • 外壁材:モダンでスタイリッシュな外観を求める場合に人気があります。サイディングの一種として使われます。
  • 雨樋(あまどい):屋根や外壁の色と合わせることで、家全体に統一感を出すことができます。
  • 水切り・笠木(かさぎ):窓の下や基礎の上に取り付ける「水切り」や、ベランダの手すりの上部にかぶせる「笠木」など、雨仕舞いが重要になる部分にも使われます。