非常に高い耐候性・防汚性・耐薬品性を持ち、耐用年数は15〜20年と長寿命です。高層ビルや橋梁など、メンテナンス頻度を抑えたい場所に最適です。価格は高めですが、長期的に見るとランニングコストは抑えられます。高性能ゆえ、住宅でも高級仕様として選ばれることがあります。
名称 | フッ素樹脂系塗料 |
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大分類 | 塗料 |
小分類 | - |
特徴 | フッ化炭素樹脂(4フッ化エチレン系など)を主成分とする高耐久型の合成樹脂塗料。一般に溶剤型が多く、耐候・耐薬品性に優れる |
肌目 | ツヤが強く、硬質でなめらかな塗膜。汚れがつきにくく、光沢が長期間持続するのが特徴。高級感のある外観に仕上がる |
用途 | 高層ビル・大型公共建築・住宅の屋根・外壁・鉄部・橋梁など。非常に高い耐候性・耐久性が求められる場面で採用される |
産地・メーカー | 日本では日本ペイント(ファイン4F)、関西ペイント(アレスアクアフッソ)、エスケー化研(クリーンマイルドフッソ)などが主要製品を展開 |
フッ素樹脂系塗料の概要・特徴
フッ素樹脂系塗料は、主成分としてフッ素樹脂を使用した塗料です。外壁塗装に使われる塗料の中では、非常に高い性能を持つ、ハイグレードな製品として位置づけられています。
最大の特徴は、圧倒的な耐久性と耐候性です。フッ素樹脂は、原子の結合力が非常に強く安定しているため、紫外線や雨風による劣化をほとんど受け付けません。この性質により、塗膜の光沢や色合いを長期間にわたって維持することができます。
また、フライパンの表面加工(テフロン加工)にも使われるように、汚れを寄せ付けにくい「低汚染性」も大きな特徴です。雨水で汚れが洗い流されるセルフクリーニング効果を持つ製品が多く、外壁をきれいに保ちます。
フッ素樹脂系塗料のメリットとデメリット
メリット
- 極めて高い耐久性:耐用年数が15~20年程度と非常に長く、一度塗装すると長期間にわたって塗り替えの必要がありません。
- 優れた耐汚染性:汚れが付着しにくく、雨で汚れが流れ落ちるため、長期間美観を維持できます。
- 耐候性が高い:紫外線による色褪せや、塗膜の劣化が非常に少ないため、光沢や色の鮮やかさが長持ちします。
- 長期的なコストパフォーマンス:一回の工事費用は高額ですが、塗り替えの回数が少なくて済むため、長い目で見るとトータルのメンテナンスコストを抑えることができます。
デメリット
- コストが非常に高い:一般的なシリコン樹脂塗料に比べて、材料費も施工費も高額になります。
- 塗膜が硬い:塗膜が非常に硬いため、ひび割れ(クラック)が発生しやすいモルタル壁などでは、その動きに追従できずに塗膜が割れてしまうことがあります。
- ツヤの調整が難しい:基本的に光沢のある仕上がり(ツヤ有り)が標準で、マットな質感(ツヤ消し)に調整するのが難しい製品が多いです。
フッ素樹脂系塗料の用途
フッ素樹脂系塗料は、その圧倒的な耐久性から、塗り替えが難しい場所や、長期的な美観維持が求められる建物で、その性能を最大限に発揮します。
- 屋根の塗装:外壁よりも紫外線や雨風の影響を強く受ける屋根は、フッ素樹脂塗料の採用に最も適した場所の一つです。
- 高層ビル・マンション:足場を組むのが大掛かりで、頻繁な塗り替えが難しい高層建築物の外壁。
- 公共施設・商業施設:橋や競技場、店舗など、多くの人が目にし、常にきれいな状態を保ちたい施設の塗装。
- 住宅の外壁:長期的にメンテナンスの手間やコストをかけたくない場合に、外壁塗装の選択肢となります。