吸水性が高く、比較的柔らかいタイルで、主に室内の壁や床に使用されます。釉薬による色彩や模様が豊富で、装飾性に優れています。強度は低めのため、屋外や水に触れる場所には不向きです。個性的なデザインを活かした空間づくりに適しています。
名称 | 陶器質タイル |
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大分類 | セラミック・タイル |
小分類 | タイル |
特徴 | 粘土を主原料とし、約1,000〜1,100℃の比較的低温で焼成された多孔質のセラミック素材。吸水率は高め(10〜20%程度) |
肌目 | やわらかく温かみのある素朴な質感が特徴。釉薬によって光沢のあるものやマットなものなど表情が豊か |
用途 | 主に内装壁材(キッチン、トイレ、浴室の壁など)に使用。装飾性を重視した仕上げ材として用いられるが、床や屋外には不向き |
産地・メーカー | 国内では愛知県常滑市や岐阜県多治見市などが伝統的な産地。手作り風やアンティーク調の製品も多く出回る |
陶器質タイルの概要・特徴
陶器質タイルは、粘土などを主成分とする原料を焼き固めて作られるタイルの一種です。名前の通り、食器などの「陶器」に近い性質を持っています。
焼く温度が磁器質タイルよりも低いため、素材に多くの隙間が残るのが特徴です。そのため、水を吸収しやすいという性質があります。叩くと「コンコン」というよりも、少し鈍い音がします。
表面には「釉薬(うわぐすり)」と呼ばれるガラス質の層が施されることが多く、これによって色やデザインが非常に豊富になります。光沢のあるものからマットな質感のものまで、多彩な表現が可能です。
陶器質タイルのメリットとデメリット
メリット
- デザイン性が高い:釉薬の発色が良く、鮮やかな色合いや繊細な絵柄を表現しやすいです。インテリアのアクセントとして高いデザイン性を発揮します。
- 加工がしやすい:材質が比較的柔らかく、磁器質タイルに比べて切断などの加工が容易です。現場での寸法調整がしやすいという利点があります。
- 比較的軽量:密度が低いため、他のタイルに比べて軽い傾向にあります。壁に施工する際の負担が少なくて済みます。
デメリット
- 吸水性が高い:水を吸いやすいため、屋外や浴室の床など、常に水に濡れたり、冬場に凍結したりする恐れのある場所には使用できません。
- 強度が低い:衝撃に弱く、硬いものを落とすと割れたり欠けたりしやすいです。人が頻繁に歩く床への使用には向いていません。
陶器質タイルの用途
陶器質タイルは、その吸水性の高さから、主に屋内の壁に使用されます。水を直接浴び続けることのない場所が適しています。
- キッチンの壁:コンロ周りやシンク周りの壁(キッチンパネルの代わり)に使われます。油汚れなども拭き取りやすいです。
- トイレの壁:空間のアクセントとして、壁の一面だけデザイン性の高いタイルを張る、といった使われ方をします。
- 洗面所の壁:ミラー周りや壁の一部に用い、おしゃれな空間を演出します。
- 装飾壁:リビングや玄関ホールの壁の一部に使い、インテリアのポイントとすることもあります。