アルミニウムとはとても軽くてサビにくい金属で、加工もしやすいのが特徴です。強度の割に重さが軽いため、建物の窓枠や外装材などによく使われます。耐食性が高く、長期間の使用にも適しています。見た目も美しく、現代的なデザインにもなじみやすい素材です。
名称 | アルミニウム |
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大分類 | 金属 |
小分類 | 非鉄金属 |
特徴 | 軽量で錆びにくい金属。表面に自然に形成される酸化皮膜により、高い耐食性を持つ。強度を補うためにアルミ合金が使用されることも多い。 |
肌目 | 銀白色の金属光沢があり、表面は滑らか。陽極酸化処理や塗装によって、色や質感を変えることもできる。 |
用途 | サッシ・窓枠、外装パネル、屋根材、手すり、カーポート、ルーバー、建具部品、カーテンウォールなど、屋内外問わず幅広く利用される。 |
産地・メーカー | アルミの原料はボーキサイトで、主な輸入国はオーストラリア、ブラジルなど。日本では原材料を輸入し、国内で製品化されている。 |
アルミニウムの概要・特徴
アルミニウムは、一円玉やアルミホイル、ジュースの缶など、私たちの暮らしの非常に身近なところで使われている金属です。「アルミ」と略して呼ばれることが一般的です。
建材としての最大の特徴は、非常に軽いことです。同じ体積で比べると、鉄の約3分の1の重さしかありません。この軽さは、建物の構造への負担を減らしたり、現場での作業をしやすくしたりする上で大きな利点となります。
また、空気に触れると表面に「酸化皮膜」という非常に薄くて緻密な膜を自然に作り出します。この膜がバリアとなって内部の腐食を防ぐため、特別な処理をしなくても錆びにくいという優れた耐食性を持っています。さらに、柔らかく加工しやすいため、複雑な形状の製品を精度高く作れるのも特徴です。
アルミニウムのメリットとデメリット
メリット
- 軽量:鉄や銅に比べて圧倒的に軽いため、建物への負荷を軽減できます。カーポートやバルコニーといった付属的な部分にも使いやすいです。
- 錆びにくく、耐候性が高い:自己保護機能を持つ酸化皮膜のおかげで、雨風にさらされる屋外でも長期間にわたって美観を保ちます。
- 加工性が高い:「押出成形」という加工方法で、窓サッシのような複雑な断面形状を自由に作れます。デザインの自由度が高い材料です。
- リサイクル性に優れる:使用済みのアルミ製品は、少ないエネルギーで再びアルミ地金に戻すことができます。環境に優しいサステナブルな素材です。
デメリット
- 熱を伝えやすい:断熱性が低く、外の熱気や冷気を室内に伝えやすい性質があります。そのため、窓サッシに使う場合は結露対策が必須となり、近年では樹脂と組み合わせた「アルミ樹脂複合サッシ」などが主流です。
- 強度が低い:鉄骨のように、建物の骨格となる構造材として使うには強度が不足しています。
- 傷がつきやすい:金属の中では比較的柔らかいため、表面に傷がつきやすいです。
- コストが高い:アルミニウムの製造には大量の電力が必要なため、材料そのものの価格は鉄などと比べて高価です。
アルミニウムの用途
アルミニウムは、その優れた特性から、住宅の様々な場所、特に屋外に面した部分で広く活躍しています。
- 窓サッシ・玄関ドア:建材としての最も代表的な用途です。加工性の高さと耐候性から、古くから広く使われてきました。
- エクステリア製品:カーポート、バルコニー、テラスの屋根、門扉、フェンス、手すり、物干し金物など、屋外製品の多くがアルミ製です。
- 外装材:スパンドレルと呼ばれる金属パネルや、アルミサイディングとして外壁に使われることがあります。
- 内装材:天井のルーバー(羽板)や、間仕切りのフレーム、巾木(はばき)など、シャープな印象を活かしてデザイン的に使われます。