透明度が高く、軽量で割れにくい樹脂製板材で、ガラスの代替として広く使用されます。加工性が高く、間仕切り、照明カバー、サインなどに用いられます。耐候性にも優れますが、表面が傷つきやすいのが欠点です。衝撃強度はガラスの約10倍で、安全性の高い素材です。
名称 | アクリル板 |
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大分類 | ガラス・透明素材 |
小分類 | 樹脂系透明素材 |
特徴 | ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を主成分とする熱可塑性樹脂板。ガラスに代わる透明素材として広く利用される |
肌目 | 表面は非常に透明度が高く、滑らかで光沢のある質感。カラー・半透明・マット調などのバリエーションも豊富 |
用途 | サイン、間仕切り、ショーケース、カーポート屋根、手すりパネル、照明カバー、什器、ディスプレイなど。軽量・高透明・加工性◎ |
産地・メーカー | 国内ではクラレ(パラグラス)、三菱ケミカル(アクリライト)、住友化学などが主要メーカー。国内外で広く生産・流通している |
アクリル板の概要・特徴
アクリル板は、アクリル樹脂から作られた透明な板状の素材です。そのずば抜けた透明度から「プラスチックの女王」とも呼ばれ、ガラス以上の光透過率を持つこともあります。
最大の特徴は、この極めて高い透明性と、優れた耐候性です。屋外で長期間、太陽光(紫外線)にさらされても、黄色く変色したり、もろくなったりしにくい性質を持っています。
また、同じ厚さのガラスに比べて重さが約半分と軽量でありながら、割れにくいという利点もあります。万が一割れても、ガラスのように鋭い破片として飛び散らないため、安全性が高いのも特徴です。
アクリル板のメリットとデメリット
メリット
- 最高の透明性:非常にクリアで、光をよく通すため、明るく開放的な空間を演出できます。
- 優れた耐候性:屋外で使っても変色・劣化しにくく、長期間にわたって美観を保ちます。看板や屋根材にも適しています。
- 軽量で安全:ガラスより軽く、建物への負担を軽減できます。割れにくく、割れても破片が飛び散りにくいため、安全性が求められる場所にも使えます。
- 高い加工性:切断、穴あけ、曲げ、接着といった加工が比較的容易で、デザインの自由度が高いです。
デメリット
- 表面が傷つきやすい:硬いもので擦ると簡単に傷がついてしまうため、掃除の際には柔らかい布を使うなどの配慮が必要です。
- 薬品に弱い:アルコールやシンナーなどの有機溶剤が付着すると、白く濁ったり、ひび割れ(クラック)を起こしたりすることがあります。
- 熱に弱い:高温になると柔らかくなり、変形する可能性があります。耐熱性はそれほど高くありません。
- 比較的高価:塩ビ板などの他のプラスチック板に比べると、材料の価格は高めです。
アクリル板の用途
アクリル板は、その美しい透明性と高い性能から、住宅の内外で様々な用途に利用されます。
- 間仕切り・パーテーション:室内の採光を保ちながら、空間を仕切るために使われます。
- 照明器具のカバー:シーリングライトやペンダントライトなど、光を柔らかく拡散させるカバーとして。
- 屋根材:カーポートやベランダ、テラスなどの屋根として。光を取り入れつつ、雨を防ぎます。(※近年はより強度が高いポリカーボネート板が主流です)
- DIY・家具:テーブルの天板保護マットや、棚板、コレクションケースなど、DIYの材料としても人気があります。