トドマツとは北海道を中心に育つ針葉樹で、やわらかく軽い木材です。加工しやすく、香りは穏やかで刺激が少ないのが特徴です。白っぽい色合いとまっすぐな木目が美しく、内装材や家具によく使われます。乾燥にはやや時間がかかりますが、コスト面で優れています。

名称トドマツ
大分類木材
小分類 針葉樹
特徴 やや軽めで柔らかく、均質な質感。加工性や接着性に優れており、乾燥も比較的容易。強度は中程度。
肌目 木目はまっすぐで通直、肌目はやや粗いが滑らか。節が少なめで美しい仕上がりになる。
香り 特徴的な強い香りはなく、やや穏やかで控えめな香り。
用途 建築材(構造材・下地材)、内装材(壁・天井)、パネル材、集成材、木製パレット、梱包材など。
産地・メーカー 主に北海道に分布。天然林・人工林ともに多く、北海道産針葉樹材の代表的な樹種のひとつ。

トドマツの概要・特徴

トドマツは、日本の北海道に広く分布する、マツ科モミ属の針葉樹です。「松」という名前がついていますが、アカマツやパイン材とは種類が異なります。

北海道の森林を代表する木で、エゾマツと並んで「蝦夷・椴(えぞ・とど)」として古くから利用されてきました。クリスマスツリーとして使われる「モミの木」としてもよく知られています。

木材としての特徴は、全体的に白っぽく、清潔感のある色合いをしていることです。木目はまっすぐで素直なため、シンプルで明るい空間づくりに向いています。

材質は非常に軽くて柔らかく、加工がしやすいのが大きな利点です。特有の爽やかな香りも持ち合わせています。

トドマツのメリットとデメリット

メリット

  • 優れた加工性:材質が柔らかいため、切断や研磨などの加工が非常に容易で、現場での作業性に優れています。
  • 軽量で扱いやすい:木材の中でも特に軽いため、運搬や施工がしやすく、建物への負担も軽減できます。
  • 明るく美しい見た目:白くきれいな木肌は、内装に使うと部屋全体を明るく、広々と見せる効果があります。
  • コストパフォーマンス:特に産地である北海道では安定して供給されており、国産材の中では比較的安価に手に入ります。

デメリット

  • 傷が非常につきやすい:柔らかさは長所である一方、物を落としたりぶつけたりするとすぐにへこみや傷がついてしまうという短所になります。
  • 強度が低い:柔らかいため、家の重みを支える柱や梁(はり)といった主要な構造材としての使用には向いていません。
  • 耐久性が高くない:湿気や腐朽に対する抵抗力はあまり高くないため、水回りや屋外での使用は避けるべきです。

トドマツの用途

トドマツは、その軽さと加工のしやすさ、美しい見た目を活かして、主に内装材として使われます。

  • 内装材:壁や天井に用いる羽目板(はめいた)が代表的な用途です。部屋が明るくナチュラルな雰囲気に仕上がります。傷つきやすさを理解した上で、床材(フローリング)として使われることもあります。
  • 構造材(補助的):主要な構造部分には使えませんが、大きな荷重のかからない間柱(まばしら)野縁(のぶち)といった下地材として利用されます。
  • 造作材:クローゼット内部の棚板や、押入れの仕切り板など、人目に触れにくく、大きな重みがかからない部分の造作材にも適しています。