柔軟性と密着性に優れ、屋根や外壁、木部、鉄部など幅広い用途で使われる万能型塗料です。耐候性や耐水性は中程度で、アクリルよりも長持ちします(耐用年数:約7〜10年)。価格と性能のバランスが良く、リフォームや住宅塗装で定番の選択肢です。つや感のある美しい仕上がりも魅力です。
名称 | ウレタン樹脂系塗料 |
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大分類 | 塗料 |
小分類 | - |
特徴 | ポリウレタン樹脂を主成分とする合成樹脂塗料。柔軟性と密着性に優れ、水性・溶剤型の両タイプがある |
肌目 | ツヤあり・半ツヤ・ツヤ消しなど仕上がりの自由度が高く、なめらかで光沢のある塗膜。やや柔らかく、追従性に優れる |
用途 | 住宅の外壁・鉄部・木部・サッシ・門扉・雨樋などに広く使用。適度な耐久性・施工性・コストバランスが良く、リフォームにも人気 |
産地・メーカー | 日本では日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研、ロックペイントなどが製造。DIYからプロ用途まで幅広く流通している |
ウレタン樹脂系塗料の概要・特徴
ウレタン樹脂系塗料は、主成分としてウレタン樹脂を使用した塗料です。外壁塗装に使われる塗料の中では、アクリル樹脂とシリコン樹脂の中間に位置するグレードの製品です。
最大の特徴は、塗料が乾燥してできる塗膜(とまく)に弾力性があり、柔らかいことです。この性質により、塗料が下地の動きによく追従し、ひび割れしにくいという利点があります。
また、密着性にも優れ、木部や鉄部など、様々な素材に塗装することができます。かつては外壁塗装で広く使われていましたが、現在ではより耐久性の高いシリコン樹脂塗料が主流となり、外壁全体での採用は減ってきています。
ウレタン樹脂系塗料のメリットとデメリット
メリット
- 価格と性能のバランス:アクリル樹脂塗料より耐久性が高く、シリコン樹脂塗料よりは安価なため、コストを抑えつつ一定の性能を確保したい場合に適しています。
- 優れた密着性と柔軟性:塗膜が柔らかく、様々な素材によく密着するため、木製の雨戸や、鉄製の手すりなど、動きのある部分や細かい部分の塗装にも向いています。
- 光沢のある美しい仕上がり:ツヤのある滑らかな塗膜を形成し、高級感のある仕上がりになります。
デメリット
- 耐久性がやや低い:耐用年数は8~10年程度と、現在の主流であるシリコン樹脂塗料に比べると短めです。
- 紫外線に弱い:長期間、紫外線にさらされると、塗膜が黄色っぽく変色(黄変)しやすい性質があります。特に、淡い色の場合は注意が必要です。
- 汚れが付着しやすい:塗膜が柔らかいため、空気中のホコリや排気ガスなどの汚れが付着しやすい傾向があります。
ウレタン樹脂系塗料の用途
ウレタン樹脂系塗料は、その特性から、外壁全体よりも、特定の部材の塗装で活躍することが多いです。
- 付帯部の塗装:雨樋(あまどい)、雨戸、破風板(はふいた)、鉄製の手すりなど、外壁以外の細かい部分の塗装。
- 木部の塗装:木製の玄関ドアや窓枠など、伸縮する木材の保護塗装。
- 床の塗装:耐摩耗性を活かし、バルコニーの床(トップコート)や、室内のフローリングの保護塗装(ウレタンクリアー)にも使われます。