アクリル樹脂を主成分とした塗料で、発色が良く、コストも安価なため短期的な用途に適しています。塗膜はやや硬めで、紫外線や雨風にはやや弱く、耐用年数は5〜7年程度です。DIYや仮設建物、室内壁などによく使われます。塗り替え頻度を気にしない場面で選ばれます。
名称 | アクリル樹脂系塗料 |
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大分類 | 塗料 |
小分類 | - |
特徴 | アクリル樹脂(アクリル酸またはメタクリル酸系ポリマー)を主成分とする合成樹脂塗料。水性・溶剤型どちらもあり、コストと扱いやすさに優れる |
肌目 | ツヤあり・半ツヤ・ツヤ消しなど仕上げバリエーションが豊富。発色が良く、塗膜は比較的やわらかく伸縮性がある |
用途 | 外壁・内壁・鉄部・木部・サイディング・シャッター・仮設建材などの塗装。コスト重視の建物やDIY、短寿命部材に適する |
産地・メーカー | 国内では日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研、アサヒペンなどが主要メーカー。住宅・施設・仮設など幅広い用途で流通 |
アクリル樹脂系塗料の概要・特徴
アクリル樹脂系塗料は、その名の通り、主成分としてアクリル樹脂を使用した塗料です。外壁塗装に使われる塗料の中では、最も基本的なグレードに位置づけられます。
最大の特徴は、非常に安価であることです。また、色の種類が豊富で発色が良く、乾燥が早いため、作業性に優れています。
かつては外壁塗装の主流でしたが、紫外線に弱く、耐久性が低いという大きな弱点があります。そのため、現在ではより高性能なシリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料などが主流となっており、住宅の外壁全体に積極的に採用されることは少なくなっています。
アクリル樹脂系塗料のメリットとデメリット
メリット
- コストが非常に安い:他のグレードの塗料に比べて材料費が安く、塗装工事全体の費用を抑えることができます。
- 発色が良く、光沢がある:色の種類が豊富で、鮮やかな色を表現しやすいです。また、ツヤのある美しい仕上がりが得られます。
- 施工性が良い:乾燥が早く、重ね塗りもしやすいため、DIYなどでも比較的扱いやすい塗料です。
デメリット
- 耐久性が低い:耐用年数が5~8年程度と非常に短く、紫外線や雨風の影響で劣化しやすいです。塗膜の光沢も失われやすいです。
- 頻繁な塗り替えが必要:耐用年数が短いため、塗り替えのサイクルが早くなります。一回の工事は安くても、長期的に見るとかえってコストが高くつく可能性があります。
- 汚れやすい:塗膜が硬く、帯電しやすいため、空気中のホコリや排気ガスの汚れが付着しやすい傾向があります。
アクリル樹脂系塗料の用途
アクリル樹脂系塗料は、その特性から、長期的な耐久性を求めない限定的な場面で使われることがほとんどです。
- 短期的な美観維持:数年以内に解体や大規模なリフォームを予定している建物の、一時的な外壁塗装。
- 頻繁に塗り替える場所:店舗の内装や外観など、デザインを頻繁に変更したい場所の塗装。
- DIYでの塗装:安価で手に入りやすいため、DIYでウッドデッキや塀、家具などを塗装する場合。
- 新築時の初期塗装:(現在は稀ですが)建売住宅などで、コストを最優先するために、初期塗装として使われることがあります。