2枚以上のガラスの間に中間膜(PVBなど)を挟んで加熱・圧着したガラスです。割れても破片が飛散せず、中間膜に張り付いたままのため安全性が高いです。防犯・防音・紫外線カット性能にも優れています。防災性やセキュリティ対策が必要な場所に最適です。
名称 | 合わせガラス |
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大分類 | ガラス・透明素材 |
小分類 | 機能ガラス |
特徴 | 2枚以上のガラスの間に中間膜(PVB樹脂やEVAフィルムなど)を挟んで加熱・圧着した安全ガラス。衝撃を受けてもガラスが飛び散りにくい |
肌目 | 見た目は通常の透明ガラスとほぼ同様だが、縁をよく見ると**中間膜の層(わずかな厚み)**が確認できる。高透過タイプや装飾膜入りもあり |
用途 | 防犯ガラス、防音窓、天窓、学校や病院、商業施設の開口部、ショーウィンドウ、車両ガラスなど。安全性・防犯性・遮音性・紫外線カットに優れる |
産地・メーカー | 国内ではAGC(ラミセーフ)、日本板硝子、セントラル硝子などが主要メーカー。サッシメーカーとの組み合わせで全国に供給されている |
合わせガラスの概要・特徴
合わせガラスは、2枚以上のガラスの間に、強靭で透明な樹脂の中間膜(ちゅうかんまく)を挟み、熱と圧力をかけて一体化させたガラスです。
最大の特徴は、万が一、強い衝撃でガラスが割れても、破片が中間膜にしっかりと接着され、バラバラに飛び散らないことです。そのため、ガラスが脱落して大きな穴が開いてしまうのを防ぎます。
この性質により、高い「安全性」と、ガラスを破って侵入しようとする泥棒の手口に対する「防犯性」を併せ持ちます。自動車のフロントガラスに使われているのが、この合わせガラスの最も代表的な例です。
合わせガラスのメリットとデメリット
メリット
- 高い防犯性能:割れても貫通しにくいため、泥棒の「こじ破り」や「打ち破り」といった手口に対して、侵入に時間がかからせることができ、防犯効果が高いです。
- 優れた安全性:地震や物の衝突で割れても、破片が飛び散らないため、二次災害のリスクを大幅に減らします。天窓や吹き抜けの窓などにも適しています。
- 高いUVカット効果:中間膜が、家具や床、カーテンなどの色褪せの原因となる紫外線を99%以上カットします。
- 遮音性の向上:ガラスの振動を中間膜が吸収するため、特に自動車や電車など、外部の騒音を軽減する効果が高いです。
デメリット
- コストが高い:構造が複雑で製造に手間がかかるため、一般的なガラスや強化ガラスに比べて高価です。
- 重量がある:ガラスと中間膜で構成されているため、同じ厚さのガラスに比べて重くなります。
- 後加工ができない:一度、合わせガラスとして加工してしまうと、後から切断したり、穴をあけたりすることはできません。
合わせガラスの用途
合わせガラスは、その高い安全性と防犯性を活かして、特に性能が求められる場所で使われます。
- 防犯対策が必要な窓:1階のリビングの掃き出し窓や、人目につきにくい場所の窓など、泥棒の侵入経路になりやすい場所。
- 安全性が重視される窓:天窓(トップライト)や吹き抜けに面した窓、ベランダの手すり壁のガラスなど、万が一割れた場合に破片が落下すると危険な場所。
- 防音対策が必要な窓:幹線道路や線路沿いの家など、交通騒音を軽減したい場所。
- 商業施設や公共施設:ショーウィンドウや、人が多く集まる場所の間仕切りなど。