木粉と樹脂を混ぜて成形した建材で、天然木のような質感と、耐水・防腐・防虫性を兼ね備えています。ウッドデッキやフェンス、外装材などに使われ、メンテナンスが簡単です。日光や雨に強く、長期間屋外で使用しても劣化しにくいのが特徴です。天然木より重く、熱を持ちやすい点には注意が必要です。
名称 | 人工木材(木質樹脂複合材) |
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大分類 | 樹脂(プラスチック系) |
小分類 | 高機能樹脂製品 |
特徴 | 木粉(木材の粉)と樹脂(主にポリエチレンやポリプロピレン)を混合して成形した複合材料。リサイクル原料を使用することも多い |
肌目 | 表面は天然木に近い風合いを再現しており、木目調の凹凸加工も可能。触感はややプラスチック感があるが、見た目は自然な印象 |
用途 | ウッドデッキ・フェンス・ベンチ・外構材・バルコニー床材など、屋外用途が中心。耐候性・防腐性・防虫性に優れる |
産地・メーカー | 日本ではLIXIL、YKK AP、三協アルミ、タカショーなどが主要メーカー。海外製(中国・欧州)も多く流通している |
人工木材(木質樹脂複合材)の概要・特徴
人工木材(じんこうもくざい)は、本物の木の粉(木粉)と、プラスチックの一種である樹脂(ポリエチレンやポリプロピレンなど)を混ぜ合わせ、加熱して溶かし、押し出して成形した工業製品です。「木質樹脂複合材」や「WPC(Wood-Plastic Composite)」とも呼ばれます。
その名の通り、木の自然な風合いと、プラスチックの耐久性を併せ持つことを目的として開発されました。
最大の特徴は、天然の木材と比べて腐りにくく、シロアリの被害を受けない点です。そのため、防腐のための定期的な塗装メンテナンスが不要で、主に屋外で雨や日光にさらされる場所で、天然木に代わる素材として人気があります。
人工木材(木質樹脂複合材)のメリットとデメリット
メリット
- 高い耐久性:樹脂が主成分のため、水や湿気に強く、腐食やシロアリの心配がほとんどありません。
- メンテナンスが容易:定期的な防腐塗装が不要で、普段のお手入れは水洗いなどで済むため、維持管理の手間とコストを大幅に削減できます。
- 品質が均一で安全:工業製品なので、天然木にあるような節や反り、割れがありません。また、ささくれも発生しないため、お子様やペットがいるご家庭でも安心です。
- デザインの安定性:色や形のバリエーションが豊富で、経年による色褪せも天然木に比べて少ないため、長期間にわたって計画通りの景観を保ちやすいです。
デメリット
- 夏場に熱くなりやすい:樹脂の性質上、夏の強い日差しを受けると表面温度が非常に高くなり、素足で歩けないほどになることがあります。
- 質感:見た目や質感は、天然木が持つ独特の温かみや風合いには及びません。人工的な印象を受ける場合があります。
- 重量がある:同じ体積の天然木に比べて重いため、施工の際には下地の強度などを考慮する必要があります。
- 部分的な補修が困難:深い傷がついた場合、天然木のように削って直すことができません。傷が目立つ場合は部材ごとの交換が必要になります。
人工木材(木質樹脂複合材)の用途
人工木材は、その優れた耐久性とメンテナンス性から、主に屋外のエクステリア製品として広く利用されています。
- ウッドデッキ:最も代表的な用途です。メンテナンスフリーの利点を最大限に活かせます。
- フェンス・目隠し:ウッドデッキと合わせて設置されることが多く、プライバシーの確保とデザイン性を両立します。
- エクステリアルーバー:建物の外観デザインのアクセントとして、格子状に使われます。
- 門扉・門柱:外構の顔となる部分にも、その耐久性とデザイン性が評価され採用されています。