琺瑯(ホーロー)とは、金属の表面にガラス質の釉薬を焼き付けた素材で、美しい光沢と高い耐久性が特徴です。水や汚れ、酸・アルカリに強く、においも付きにくいため、キッチンや浴室などの水まわりで多く使われます。錆びにくく、お手入れが簡単なのも利点です。ただし、強い衝撃で表面が割れることがあるため注意が必要です。

名称琺瑯(ホーロー)
大分類金属
小分類 複合材
特徴 金属(主に鋼板)にガラス質の釉薬を高温で焼き付けた複合素材。金属の強さとガラスの美しさを併せ持つ。
肌目 表面は非常になめらかでツルツルしており、光沢がある。色や柄のバリエーションも豊富。
用途 キッチンパネル、洗面化粧台、浴槽、レンジフードのパネル、サイン(看板)など、水回りや耐久性が求められる場面で多用される。
産地・メーカー 日本国内では愛知県や新潟県に製造拠点が多い。メーカーとしてはタカラスタンダードが代表的。

琺瑯(ホーロー)の概要・特徴

琺瑯(ほうろう)とは、鉄やアルミニウムなどの金属の表面に、ガラス質の釉薬(ゆうやく)を高温で焼き付けて一体化させた素材です。「ホーロー」とカタカナで表記されることが一般的です。

この構造により、金属の持つ「強さ」と、ガラスの持つ「美しさ・耐食性」という、両方の長所を兼ね備えているのが最大の特徴です。

表面がガラス質であるため、汚れやニオイが染み込みにくく、非常に衛生的でお手入れが簡単です。また、酸やアルカリにも強いため、洗剤や調味料が付着しても変質しにくいという利点もあります。さらに、下地が金属であるため、マグネットがくっつくというユニークな特性も持っています。

琺瑯(ホーロー)のメリットとデメリット

メリット

  • 衛生的でお手入れが簡単:表面が滑らかなガラス質なので、油汚れや水垢、カビなどが染み込まず、水拭きだけで簡単にきれいにできます。
  • 高い耐久性:表面が硬く、傷や摩耗に強いです。また、酸やアルカリにも強いため、洗剤や調味料の影響を受けにくいです。
  • 耐熱性が高い:高温に強く、コンロの近くで使っても変色や変形がありません。
  • マグネットが使える利便性:下地が金属なので、マグネット式のフックやラック、メモなどを自由に貼り付けることができ、壁面を有効活用できます。

デメリット

  • 衝撃に弱い:表面はガラスなので、鍋などの硬いものを強くぶつけると、その衝撃で欠けたりひび割れたりする可能性があります。
  • 部分的な補修が難しい:一度欠けてしまうと、その部分だけを元通りにきれいに補修するのは困難です。
  • コストが高い:製造に手間がかかるため、化粧合板やキッチンパネルの他の素材に比べて、価格が高くなる傾向があります。

琺瑯(ホーロー)の用途

琺瑯は、その優れた性能から、特に汚れやすく、清潔さが求められる水まわりで幅広く採用されています。

  • キッチンパネル:油汚れが飛びやすいコンロ周りや、水がはねるシンク周りの壁材として最適です。マグネットを使える利便性も人気の理由です。
  • システムキッチンの部材:キッチンの扉や、引き出しの底板、キャビネットの内部などに使われます。
  • 浴室の壁パネル:カビが根を張りにくく、湯垢などの汚れも簡単に落とせるため、ユニットバスの壁材として人気があります。
  • 洗面化粧台のパネル:水ハネや整髪料・化粧品などが付着しても、変質しにくく掃除が簡単です。