ブリキとは、鉄にスズを薄くコーティングした金属で、さびにくく加工しやすいのが特徴です。表面が美しく光沢があり、昔はおもちゃやバケツ、缶詰の容器などによく使われました。軽くて薄いため、曲げやすくハサミでも切れることがあります。近年はあまり使われなくなりましたが、レトロな雰囲気を出す素材として人気があります。
名称 | ブリキ |
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大分類 | 金属 |
小分類 | 鉄系 |
特徴 | 薄い鋼板に錫(すず)をメッキした金属材料。ベースは鉄。 |
肌目 | 表面は銀白色でなめらか。光沢があり、メッキの厚みにより質感が異なる。 |
用途 | 缶詰・おもちゃ・看板・バケツ・装飾品・工芸品・建築板金(屋根・外装)など。 |
産地・メーカー | 世界各国で生産されており、日本国内でも鉄鋼メーカーが製造。特定の産地はない。 |
ブリキの概要・特徴
ブリキは、鉄の板(鋼板)に錫(すず)をメッキした金属材料です。美しい銀白色の光沢があり、缶詰やお菓子・お茶の缶、おもちゃなどに広く使われてきたことで知られています。
建築のプロの視点から正直にお伝えすると、ブリキが現代の住宅建築で建材として使われることは、基本的にありません。
その最大の理由は、傷がつくとそこから急速に錆びてしまうという致命的な弱点があるためです。トタン(亜鉛めっき鋼板)は、メッキの亜鉛が鉄より先に錆びて鉄本体を守りますが、ブリキの場合、メッキの錫より先に鉄本体が錆びてしまいます。そのため、屋外での使用には全く向いていません。
ブリキのメリットとデメリット
メリット
- 美しい外観:錫メッキ特有の、なめらかで美しい銀白色の光沢を持っています。
- 人体に無害:錫は毒性がないため、食品が直接触れる缶詰の容器として安心して使えます。
- 加工性が良い:ハンダ付けが容易で、細かい加工がしやすいという特徴があります。
デメリット
- 傷から錆びやすい(建材としての致命的な弱点):表面に傷がついて鉄が露出すると、水分や酸素に触れて鉄の部分から集中的に錆が発生し、穴が空いてしまいます。
- 屋外での耐久性が非常に低い:上記の理由から、雨や風にさらされる屋根や外壁などの建材としては全く使用できません。
- コストが比較的高い:メッキに使われる錫は、トタンに使われる亜鉛よりも高価です。
ブリキの用途
前述の通り、ブリキが住宅の構造や外装、内装に使われることはありません。もし仮にデザイン的な意図で使うとしても、雨に濡れず、人の手が触れない、傷がつく可能性が極めて低い内装の装飾パネルなどに限定されますが、通常はそのような用途にはステンレスやアルミ、デザイン性の高い他の鋼板が選ばれます。
建材以外の一般的なブリキの用途は以下の通りです。
- 食品容器:缶詰、お菓子・海苔・お茶の缶など。
- 玩具:昔ながらのブリキのおもちゃ(自動車、ロボットなど)。
- 日用品:バケツ、じょうろ、文房具など。