SGL鋼板とは、「スーパーガルバリウム鋼板」とも呼ばれる高耐久な鋼板です。従来のガルバリウム鋼板に比べてマグネシウムを多く含み、**サビに対する耐久性が大幅に向上**しています。屋根材や外壁材として使われることが多く、**軽量で加工しやすいのも特徴**です。長寿命でメンテナンス性にも優れているため、住宅や施設の外装材として人気があります。
名称 | エスジーエル |
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大分類 | 金属 |
小分類 | 鉄系 |
特徴 | 溶融亜鉛・アルミニウム・マグネシウム合金めっき鋼板。亜鉛鉄板(ZAM)を進化させた高耐食鋼板。 |
肌目 | 表面は滑らかで金属光沢があり、めっき特有のざらつきや模様が見られることもある。製品によって異なる。 |
用途 | 建築外装材(屋根材・外壁材)、住宅設備、産業機器、農業施設など、特に耐候性・耐食性が求められる場面。 |
産地・メーカー | 主に日本国内の鉄鋼メーカー(例:日本製鉄、JFEスチールなど)で製造。海外でも類似技術あり。 |
SGL鋼板の概要・特徴
SGL(エスジーエル)鋼板は、従来のガルバリウム鋼板のメッキ層に「マグネシウム」を添加することで、その性能をさらに進化させた次世代の鋼板です。「スーパーガルバリウム」とも呼ばれます。
ガルバリウム鋼板が持つアルミニウムと亜鉛のメッキ層にマグネシウムが加わることで、メッキ層がより強固で緻密になります。これにより、ガルバリウム鋼板の弱点であった切断面(板の切り口)や傷ついた部分の防錆性能が飛躍的に向上しました。
製品によっては、ガルバリウム鋼板の3倍以上の耐久性を持つとも言われており、ガルバリウム鋼板の正統な上位互換製品として位置づけられています。
SGL鋼板のメリットとデメリット
メリット
- 極めて高い耐久性・防錆性:マグネシウムの効果により、傷や切断面から発生する錆を強力に抑制します。塩害にも強いため、沿岸部の住宅にも適しています。
- 優れた自己修復作用:万が一表面に傷がついても、メッキ成分が溶け出して傷部分を覆い、錆の進行を防ぐ効果があります。
- 長期の製品保証:高い耐久性を背景に、メーカーはガルバリウム鋼板よりも長い保証期間を設定していることが多く、安心感に繋がります。
- ガルバリウム鋼板の長所を継承:軽量で耐震性に有利な点や、シャープでモダンなデザイン性といったガルバリウム鋼板のメリットはそのまま受け継いでいます。
デメリット
- コストが高い:高性能な分、ガルバリウム鋼板に比べて材料の価格が高くなります。
- 基本的な性質は同じ:金属板であるため、強い衝撃でへこみやすい点や、屋根に使うと雨音が響きやすい点、断熱性能自体はない点などはガルバリウム鋼板と共通の課題です。
- 製品の選択肢:広く普及してきてはいますが、製品の種類や色のバリエーションは、ガルバリウム鋼板に比べるとまだ限られる場合があります。
SGL鋼板の用途
SGL鋼板は、その極めて高い耐久性を活かし、ガルバリウム鋼板と同様に建物の外装材として使用されます。特に、より長期間にわたる安心を求める場合に選ばれます。
- 屋根材:一度施工するとメンテナンスが難しい屋根において、その長期耐久性は大きなメリットとなります。
- 外壁材:家の外観を長期間美しく保ちたい場合に最適です。特に塩害が懸念される沿岸地域や、酸性雨・積雪など厳しい環境下での使用に適しています。
- 雨樋・付帯部材:屋根や外壁と同様に、雨樋や破風板(はふいた)、水切りといった部分にも使用され、建物全体の耐久性を高めます。