LVL(単板積層材)とは、薄くスライスした木材(単板)を繊維方向をそろえて何層にも接着し、圧力をかけて成形した構造用木材です。強度と寸法の安定性に優れ、反りや割れが起きにくいのが特徴です。柱や梁など、住宅の主要構造部に広く使われています。工場で均一に製造されるため、品質にムラが少ないのもメリットです。
名称 | LVL(単板積層材) |
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大分類 | 木材 |
小分類 | 合板・集成材 |
特徴 | 薄くスライスした単板(ベニヤ)を繊維方向をそろえて積層・接着した木質材料。人工的に整えられたエンジニアードウッド。 |
肌目 | 表面は均質で、節や反りが少ない。木目は単板の種類により異なるが、見た目より構造性能が重視される。 |
香り | 使用する樹種によるが、天然木材よりも香りは控えめ。接着剤や加工によるにおいがすることもある。 |
用途 | 構造材(梁、桁、土台、まぐさなど)、下地材、パネル材。特に強度が求められる部分に用いられる。 |
産地・メーカー | 主に北米、ニュージーランド、日本(国産杉などを使ったLVLも増加)。国内ではプレカット工場などで製造される。 |
LVL(単板積層材)の概要・特徴
LVLは「Laminated Veneer Lumber」の略で、日本語では「単板積層材」と呼ばれます。木材を薄くスライスした単板(ベニヤ)を、繊維方向をすべて平行に揃えて何層にも重ねて接着した木質材料です。
合板(プライウッド)が繊維方向を互い違いに重ねるのに対し、LVLはすべての層が同じ方向を向くため、一方向に対して極めて高い強度と剛性(曲がりにくさ)を発揮します。
この特性により、長いスパンを架ける梁(はり)など、大きな力がかかる場所で無垢材や集成材の代替として使われます。工業製品であるため品質が安定し、反りや割れも少ないのが利点です。
LVL(単板積層材)のメリットとデメリット
メリット
- 高い強度・剛性:特定方向に非常に強く、少ない部材断面で長いスパンの梁などを架けることができます。
- 優れた寸法安定性:製造工程で乾燥・成形されるため、施工後の反り、ねじれ、割れが非常に少ないです。
- 品質の安定性:工業製品ゆえに品質にばらつきがなく、設計通りの強度を確実に確保できます。
- 長尺材の供給が可能:無垢材では難しい長いサイズの部材を安定して供給できます。
デメリット
- 水・湿気に弱い:接着剤で成り立つため、水に濡れると層が剥がれて強度が著しく低下する恐れがあります。
- 見た目が意匠向きではない:積層された断面が見えるため、化粧材としてそのまま見せる仕上げには不向きです。
- 重量がある:密度が高く、同じ体積の無垢材に比べて重いため、現場での取り扱いに注意が必要です。
LVL(単板積層材)の用途
LVLは、その一方向への圧倒的な強度を活かし、主に建物の骨格を支える構造材として活躍します。
- 梁・桁:大きな吹き抜けや広い開口部上の長スパン梁・桁として最も多く使用されます。
- まぐさ:窓や出入口上部の荷重を支える「まぐさ」として、高い強度が求められる場合に用いられます。
- I型ジョイストのフランジ材:I型床梁の上下フランジに使われ、剛性を高めます。