集成材(グルーラム)とは、木材を小さく切った板(ラミナ)を接着剤で貼り合わせてつくられた構造材です。天然木よりも反りや割れが起きにくく、強度や寸法の安定性に優れています。大きな断面や長さの部材も製造できるため、大型の建築物にも使われます。見た目も美しく、内装材としても人気があります。

名称集成材(グルーラム)
大分類木材
小分類 合板・集成材
特徴 複数の木材(ラミナ)を接着剤で貼り合わせてつくられた構造用木質材料。天然木より強度や寸法安定性に優れる。
肌目 均質で整った木目が多く、美観が安定している。接着面が分かるが、見た目は自然な木材に近い。
香り 原材料の樹種により異なるが、無垢材に比べて香りは弱め。接着剤の匂いは加工時にわずかに感じる程度。
用途 梁・柱などの構造材、大スパンのアーチやトラス構造、学校・体育館・商業施設など公共建築でも多用される。
産地・メーカー 世界中で製造されているが、日本では国産スギ・ヒノキ・カラマツなどを用いた国内生産が進んでいる。

集成材(グルーラム)の概要・特徴

集成材とは、小さめの木材(挽き板=ラミナ)を、繊維の方向を揃えて接着剤で貼り合わせ、大きな角材や板状に加工した木質材料のことです。「グルーラム」とも呼ばれます。

一本の木から切り出す「無垢材」と違い、製造過程で節(ふし)や割れといった木材の欠点を取り除くことができます。そのため、強度にばらつきが少なく、品質が安定しているのが大きな特徴です。

また、木材を貼り合わせて作るため、天然の木では不可能な大きな断面の柱や、体育館の屋根のような湾曲した梁(はり)など、自由なサイズや形状を作り出すことができます。

無垢材に比べて、乾燥による反りや割れが起きにくいという利点もあり、現代の木造住宅では柱や梁といった構造材として、最も広く使われている材料の一つです。

メリット

  • 品質・強度の安定性:欠点を取り除き、強度を計算して作られるため、品質にばらつきが少なく、設計通りの性能を確実に発揮できます。
  • 自由な形状とサイズ:無垢材では難しい長尺の梁や太い柱、アーチ状の部材なども製造可能です。
  • 優れた寸法安定性:製造工程でしっかり乾燥させるため、無垢材に比べて施工後の反り、ねじれ、割れといった変形が起きにくいです。
  • コストパフォーマンス:同じサイズの無垢材に比べて、比較的安価に手に入りやすいです。

デメリット

  • 接着剤の耐久性:木材自体の耐久性よりも、接着剤の性能や寿命が懸念されることがあります。特に屋外など過酷な環境では、接着層が剥がれるリスクがあります。
  • 見た目の好み:貼り合わせた線が見えるため、無垢材の一枚板が持つ自然な風合いとは異なります。この人工的な見た目を好まない人もいます。
  • 化学物質の問題:接着剤に含まれるホルムアルデヒドなどが懸念されますが、F☆☆☆☆規格の製品使用が基本です。
  • 調湿効果が低い:接着剤の層が木の呼吸を妨げるため、無垢材ほどの高い調湿効果は期待しにくいと言われています。

集成材(グルーラム)の用途

  • 構造材:住宅の柱、梁(はり)、桁(けた)、土台として広く使われ、特に長い梁や太い大断面材で活躍します。
  • 内装・造作材:階段の踏み板や手すり、カウンター天板など、強度と寸法安定性が求められる部材に使用されます。
  • 家具:テーブル天板や棚板など、DIY材料としても人気があります。
  • 大規模木造建築:体育館やホール、商業施設などのアーチ状梁や大断面柱に用いられ、その特性が最大限に活かされます。