合板(ベニヤ)とは、薄い木の板を繊維方向が交差するように何層も貼り合わせた加工木材です。反りや割れが起きにくく、安定した強度があります。軽くて扱いやすいため、下地材や家具、内装など幅広く使われています。価格も比較的安価で、コストパフォーマンスに優れています。

名称合板(ベニヤ)
大分類木材
小分類 合板・集成材
特徴 薄くスライスした木材(単板)を繊維方向を直交させて重ね、接着剤で圧着した人工木材。強度と安定性に優れる。
肌目 表面には天然木の単板を使用することが多く、仕上げにより木目が見えるものもあるが、等級により表情はさまざま。
香り 木材特有のにおいに加え、接着剤由来のにおいがすることがある(種類によってはほとんど無臭)。
用途 床下地、壁・天井の下地材、家具の芯材、建具、DIY素材など、住宅や家具づくりの幅広い用途に使われる。
産地・メーカー 世界中で生産されているが、日本では北海道・東北・九州のほか、輸入材を使った国内加工も多い。代表的な輸入元は中国、東南アジア、ロシアなど。

合板(ベニヤ)の概要・特徴

合板(ごうはん)とは、木材を薄くスライスした単板、通称「ベニヤ」を複数枚、繊維の方向が互い違いになるように重ねて接着した木質材料のことです。

よく「ベニヤ」と「合板」が混同されますが、「ベニヤ」は材料となる薄い板そのものを指し、「合板」はそのベニヤを貼り合わせて作った製品を指すのが正しい区別です。

木目の方向を交互に重ねることで、天然木材が持つ「反り」や「収縮」といった弱点を克服し、どの方向にも均一な強度を持たせています。これにより、大きな面積の板を安定した品質で供給できるのが最大の特徴です。

表面に貼るベニヤの種類によって、ラワン合板やシナ合板など、様々な見た目やグレードのものがあります。

合板(ベニヤ)のメリットとデメリット

メリット

  • 品質と強度の安定性:反りやねじれ、割れが少なく、どの方向にもほぼ同じ強度を持つため、計算に基づいた設計がしやすいです。
  • 大きな面材が手に入る:規格化された大判サイズ(一般に910×1820mm)で供給されるため、広い面積を効率的に施工できます。
  • コストパフォーマンス:同じ大きさの無垢一枚板に比べて非常に安価で、予算を抑えつつ大判のパネルを使えます。

デメリット

  • 水や湿気に弱い:接着剤で貼り合わせているため、長時間濡れると層が剥がれる恐れがあります(耐水性タイプもあり)。
  • 断面の見た目:側面から見ると貼り重ねた層が縞模様になり、無垢材のような質感はありません。
  • 接着剤の化学物質:ホルムアルデヒドなどを含む接着剤により、室内空気への影響が懸念されます。現在は最も低ホルム規格の「F☆☆☆☆」製品が主流です。

合板(ベニヤ)の用途

合板は、その安定性とコストパフォーマンスから、住宅建築のあらゆる場面で「下地材」として最も広く使われています。

  • 床の下地材:フローリングなどの仕上げ材を張る前の平滑な下地として使用。
  • 壁の下地材:石膏ボードを張る前の強固な下地に。
  • 屋根の野地板:防水シートや瓦を施工する前に屋根全体を覆う下地として。
  • 構造用面材(耐力壁):「構造用合板」を柱や梁に打ち付け、地震や台風などの横からの力に抵抗する耐力壁として。
  • 化粧合板:表面に美しい単板を貼った「化粧合板」は、壁・天井仕上げ材や造作家具にも用いられます。