カバザクラ(バーチ)とは、やや赤みがかった淡い色合いと、なめらかで繊細な木目が特徴の広葉樹です。硬くて丈夫なため、床材や家具に多く使われます。経年で色が深まり、上品な風合いになります。反りや縮みが少なく、扱いやすい木材です。
名称 | カバザクラ(バーチ) |
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大分類 | 木材 |
小分類 | 広葉樹 |
特徴 | 中程度の硬さで、粘りがあり衝撃にも強い。反りが少なく、安定性が高い。耐摩耗性にも優れる。 |
肌目 | きめ細かくなめらかで、やや光沢がある。木目は比較的おとなしく、上品な印象。 |
香り | ほとんど無臭。クセがないため、住空間にも適している。 |
用途 | 床材(フローリング)、家具、内装材(壁・天井)、建具、楽器など。滑らかな質感を活かした用途が多い。 |
産地・メーカー | 主に北米(アメリカ・カナダ)やロシアが産地。日本では「カバザクラ」と呼ばれるが、実際には桜ではなくカバノキ科の木。 |
カバザクラ(バーチ)の概要・特徴
カバザクラは、その名前からサクラ(桜)の木と思われがちですが、実際は「カバ(樺)」の木です。木肌が桜の木のように淡いピンク色を帯びて美しいことから、建材業界で「カバザクラ」という愛称で呼ばれています。
英語圏では「バーチ」と呼ばれ、こちらも木材として非常にポピュラーな名前です。
見た目の特徴は、明るく清潔感のある淡い色合いと、きめ細かく滑らかな木肌です。木目は主張が強すぎず穏やかで、上品な雰囲気を持っています。
材質は、適度に硬く、衝撃にも強いため耐久性に優れています。ナラ(オーク)やメープルといった非常に硬い木材に比べると少し柔らかいですが、床材や家具として十分な強度を持っています。
カバザクラ(バーチ)のメリットとデメリット
メリット
- 優れたコストパフォーマンス:硬質な広葉樹フローリングの中では比較的安価なため、コストを抑えつつ無垢材の質感を楽しめます。
- 明るく上品な雰囲気:淡く明るい色調が、部屋全体を広くクリーンに見せます。
- 様々なインテリアに調和:木目がシンプルで主張が少ないため、北欧からモダンまで幅広いスタイルにマッチします。
- 適度な硬さ:傷やへこみがつきにくく、日常使いの床材として十分な耐久性があります。
デメリット
- 水に弱い:耐水性が高くないため、キッチンや洗面所など水まわりでの使用には注意が必要です。
- 木目のばらつき:天然木のため「かすり」や小さな節、「ガムポケット」などが混じることがあります。
- 経年変化:年月とともに淡い色合いから黄色みがかった飴色へと変化していきます。
カバザクラ(バーチ)の用途
カバザクラは、そのコストパフォーマンスとくせのない美しさを活かし、主に内装材として利用されます。
- 床材(フローリング):最も代表的な用途で、多くの住宅で標準的に採用されます。
- 家具:学習机やキャビネットなど、子ども向け家具にもよく使われます。
- 内装・造作材:ドア枠、階段部材、壁面パネルなどにも適しています。
- 合板の材料:「バーチ合板」は家具やスピーカーボックスなど多用途に利用されます。