ブナ(ビーチ)とは、広葉樹の一種で、日本の山地に広く分布しています。木目はきめ細かくて滑らかで、ほんのり赤みを帯びた淡い色合いが特徴です。硬くて粘りがあるため、家具やフローリング、器具材などに使われます。また、曲げ加工にも適している扱いやすい木材です。

名称ブナ(ビーチ)
大分類木材
小分類 広葉樹
特徴 やや重くて硬く、粘りがあり折れにくい。均質で強度が高いが、水に弱く、耐久性はあまり高くない。
肌目 緻密でなめらか。淡い黄褐色~赤褐色で、木目は比較的目立たない。きめ細かい肌触りが特徴。
香り ほとんど無臭(わずかに木の甘い香りを感じる場合もあり)。
用途 家具、床材、建具、曲木家具、玩具、まな板、器具材など。加工性が高く、曲げ加工にも適する。
産地・メーカー 日本では東北地方や中部山岳地帯に分布。世界的にはヨーロッパブナ(ヨーロピアンビーチ)が有名で、ドイツやフランスなどが主な産地。

ブナ(ビーチ)の概要・特徴

ブナ(ビーチ)は、ヨーロッパや日本などの温帯に広く分布する広葉樹です。特に北欧家具で多用されることで知られ、日本でも古くから親しまれてきました。

木肌は淡いピンクがかった乳白色で、きめが細かく滑らかなのが特徴です。木目は主張が控えめで穏やかですが、全体に「斑(ふ)」と呼ばれる小さな斑点模様が散らばっているのが、ブナ材ならではのアクセントになっています。

材質は硬く、粘り強さと弾力性に富んでいます。そのため衝撃に強く、特に蒸気を当てて木を曲げる「曲げ木加工」に適しており、曲線的なデザインの家具によく用いられます。

かつては乾燥に伴う狂いが大きいため「木に無」と書くように利用価値が低いとされていましたが、乾燥技術の進歩により、現在では非常に人気の高い木材となっています。

ブナ(ビーチ)のメリットとデメリット

メリット

  • 優しい雰囲気:明るく柔らかな色合いと穏やかな木目が、ナチュラルで温かみのある空間を演出します。
  • 滑らかな肌触り:きめ細かい木肌は、すべすべとした心地よい手触り・足触りです。
  • 曲げ木加工に適している:粘り強さを活かして、椅子の背もたれのような美しい曲線を作り出すことができます。
  • コストパフォーマンス:硬質な広葉樹の中では、比較的手頃な価格で手に入りやすいです。

デメリット

  • 水に弱い:耐水性が低く、湿気の多い場所では腐りやすいため、水回りや屋外での使用には向きません。
  • 狂いやすい性質:乾燥による収縮や変形が比較的大きいため、品質管理の行き届いた製品を選ぶことが重要です。
  • 汚れが目立ちやすい:色合いが明るく淡いため、シミや汚れが付着すると目立ちやすい傾向があります。

ブナ(ビーチ)の用途

ブナは、その加工性の良さと優しい風合いから、私たちの暮らしに身近な製品に多く使われています。

  • 家具:曲げ木の特性を活かした椅子が最も代表的です。特に北欧デザインの椅子に多く見られます。その他、テーブルやキャビネットにも使われます。
  • 床材(フローリング):硬くて傷がつきにくく、足触りも滑らかなため、床材として人気があります。部屋全体を明るく見せる効果もあります。
  • おもちゃ・木製品:滑らかな肌触りと安全性の高さから、積み木などのおもちゃや、食器、カトラリーといったキッチン用品にも利用されます。