桧(檜、ヒノキ)とは、淡い黄白色の美しい木肌と、さわやかな芳香が特徴の高級木材です。湿気や腐れに強く、耐久性が非常に高いため、神社仏閣や浴槽などに使われてきました。軽くて加工しやすく、反りや狂いが少ないのも魅力です。日本を代表する建築用材のひとつです。

名称桧(ヒノキ)
大分類木材
小分類 針葉樹
特徴 密度が高くて丈夫で、耐久性・耐水性に優れる。狂いが少なく、建築材として高評価。
肌目 木目は細かく緻密で、なめらか。淡い黄白色で、美しい光沢を持つ。
香り 清々しく上品な香り。リラックス効果や防虫効果があり、アロマにも使われる。
用途 高級建築材(柱・土台・天井板)、内装材、浴槽や風呂桶、神社仏閣の建築材など。
産地・メーカー 木曽(長野)、吉野(奈良)、尾鷲(三重)、日田(大分)など、日本各地に名産地あり。特に「木曽ヒノキ」が有名。

桧(ヒノキ)の概要・特徴

桧は、杉と並び古くから日本の建築を支えてきた針葉樹です。特に、法隆寺などの歴史的建造物にも使用されていることからわかるように、日本を代表する最高級の木材として知られています。

木肌は白から淡いピンク色で、緻密で美しい木目と上品な光沢が特徴です。触り心地も滑らかで、見た目にも高級感があります。

最大の魅力は、特有の爽やかで心地よい芳香です。この香りにはリラックス効果のほか、細菌の増殖を抑える抗菌作用や、シロアリなどを寄せ付けにくい防虫効果も含まれています。

材質は、耐久性や保存性に非常に優れており、伐採してから200年間は強度が上がるとも言われています。

桧(ヒノキ)のメリットとデメリット

メリット

  • 優れた耐久性:湿気や腐朽に強く、シロアリにも耐性があるため、建物の寿命を延ばします。特に土台や柱など重要な部分に適しています。
  • 心地よい芳香:ヒノキ特有の香りは、リラックス効果や消臭効果をもたらし、快適な室内空間を作ります。
  • 美しい仕上がり:きめ細かく光沢のある木肌は、内装材として使用すると上品で清潔感のある空間を演出できます。
  • 高い調湿性:杉と同様に、室内の湿度を調整する働きがあり、結露やカビの発生を抑制する効果が期待できます。

デメリット

  • コストが高い:最高級の建材であるため、杉などの一般的な木材に比べて価格が高くなります。
  • ヤニ(樹脂)の発生:木に含まれる天然の樹脂分が表面に染み出て、ベタつくことがあります。これは木が健康的である証拠ですが、気になる場合があります。
  • 経年変化:使い込むうちに、紫外線などの影響で表面がだんだんと飴色に変化していきます。この風合いの変化を好むかどうかは個人差があります。

桧(ヒノキ)の用途

桧は、その優れた特性を活かして、家の様々な部分に使われます。

  • 構造材:耐久性の高さから、家の骨組みの中でも特に重要な土台や柱、梁(はり)などに使用されます。
  • 内装材:美しい木目と肌触りの良さから、床材(フローリング)や壁・天井の羽目板として高い人気があります。
  • 浴室周り:耐水性と耐腐朽性が高いため、浴室の壁や天井、さらには浴槽そのものにも使われます。香りを楽しみながら入浴できるのが魅力です。
  • 建具・造作家具:高級感のあるドアやカウンター、棚などにも用いられます。