新築住宅を建てる際のテレビ視聴方法、迷っていませんか?
テレビ視聴方法の主な選択肢は次の3つになります。
- アンテナ
- ケーブルテレビ(CATV)
- 光インターネット
この3つの選択肢には、それぞれにメリット・デメリットが存在します。
地域の状況、家族のニーズ、そして予算。
どのように考えれば、最適な選択ができるのでしょうか?
- アンテナ・ケーブルテレビ・光回線でテレビを見る際の方法と比較
- 初期費用・ランニングコストの比較
- あなたに向いているテレビ視聴環境を解説
最適な視聴方法を選ぶための考え方が分かります
新築住宅でのテレビ視聴方法の比較と選び方
新築一戸建てを手に入れることは多くの人々にとっての夢の一つです。
そんな大切な家を建てる際に、多くの方が忘れがちなのが「テレビ視聴環境」。
最適な視聴環境を選ぶことで、家族のコミュニケーションの場として、リビングでの過ごし方がさらに充実します。
また、テレビ環境の選び方によっては、新築工事の際に必要な工事の内容が変わります。新築の段階で適切な選択をすることで、後から無駄な費用が発生することを防ぐことが可能です。
余計な費用はかけたくないもんね…
そして、みなさんに最適な視聴環境も人それぞれ違います。
でも、どんな方法があるの?
今回紹介し、比較する新築住宅における主なテレビ視聴方法は次の3つです。
- アンテナ
- ケーブルテレビ(CATV)
- 光回線
この3つについてその特徴や初期費用、ランニングコストなどを比較、解説していきます。
これらの基本的な違いを理解することで、あなたの新築住宅に最適なテレビ視聴環境の選択ができるようになります。
アンテナ、ケーブルテレビ、光回線の基本的な特徴と違い
テレビ視聴方法にはさまざまな種類がありますが、新築一戸建てを検討する際によく目にするのは「アンテナ」「ケーブルテレビ(CATV)」「光回線」の3つです。
ただ、アンテナはその特徴が大きく違いますが、ケーブルテレビと光回線では、ご自宅で使う分には違いが少なく、少し被った内容となりますがご容赦ください。
ここでは、以下の項目について比較していきます。
- 構造
- メリットデメリット
- 初期費用と工事内容の比較
- ランニングコストの比較
- それぞれに向いている人
それでは、それぞれ見ていきましょう!
構造・仕組みの比較
アンテナ・ケーブルテレビ・光回線の構造や仕組みの違いについて見ていきましょう。
どうやってテレビが見れるんだろう
アンテナで電波を受信する
アンテナは電波塔から発信される地上波デジタル放送をキャッチする装置です。
また、BS/CS放送の電波は、電波塔ではなく宇宙にある衛星から来ており、地上波放送とは違う専用アンテナの設置が必要です。
地上波放送の電波は基本的に、地域に大きなアンテナ塔が建っており、そこから発信されています。なので、アンテナはそちらを向けてたてます(関東の平野部だと東京タワーやスカイツリーの方向)。
また、衛星放送の電波は地球の軌道上を周回している人工衛星から来ます。そして地域で少し異なりますが、アンテナは南西に向けて設置する必要があります。
近所の家のアンテナを見てみてください。
地上波のアンテナも衛星放送アンテナも全部同じ方向を向かっているはずです
地上波デジタル放送を受信するためのアンテナには八木式アンテナ・デザインアンテナ・ユニコーンアンテナなどがあります。BS・CS 衛星放送の受信にはパラボラアンテナを使います。
ケーブルテレビでテレビ放送を見る
ケーブルテレビ(CATV)は特定の放送局から送られる信号を、専用のケーブルを通してテレビ放送が各家庭にに配信されます。
ケーブルテレビを運営している会社が大型のアンテナで一括して放送を受信し、同軸ケーブル網を使って各家庭に配信します。
普通の地上波放送や衛星放送の番組に加えて、CATV会社が独自で製作している地域密着型番組や、有料の専門チャンネルも楽しむことができます。
同時に、インターネットの接続サービスも行っていることが多くなっています。
光回線でテレビ放送を見る
光回線は各家庭に接続された光ファイバーを利用して、高速なインターネットとテレビ放送を同時に楽しめるサービスです。
インターネットを利用するのがほぼ前提となりますが、有料の専門チャンネル楽しむことができます。
光回線網を提供している事業者には以下のような会社があります。
- 電話回線系
- 電力系
- その他
さらにNTTの光回線を利用した光コラボレーションモデルがあり、その代表的なサービスが「au光」「ソフトバンク光」となります。
それぞれのメリット・デメリット
ここからは、それぞれの方式のメリット・デメリットについてかいせつしていきます。
まとめたものが次の表です。
方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
アンテナ | 初期投資は高くない 月額利用料がかからない シンプル | 地域・土地によって受信状況が異なる 見られるチャンネルが少ない 単体ではインターネットが利用できない 天候の影響を受ける(画質・故障) |
ケーブルテレビ | 電波の弱い地域でも問題なし 有線で接続されているため通信が安定している 多彩なチャンネルを楽しめる インターネットや電話回線とひとまとめにできる | 工事費・月額料金が発生する 導入できるエリア、できないエリアがある 契約期間中に解約すると違約金が発生する インターネットの通信速度が速くはない |
光回線 | 超高速の通信速度 通信の安定性 多彩なVODサービス | 工事費・月額費用がかかる 提供エリアが限られている 契約期間内に解約すると違約金がかかる |
それぞれ詳しくみていきましょう!
アンテナを利用するメリット・デメリット
- 初期投資は高くない
- 月額利用料がかからない
- シンプル
工事に関する初期投資は比較的安く、なにより月額の利用料がかからないのが最大のメリット。
基本的にアンテナが壊れるまで使い続けることができます。アンテナの寿命は10~15年と言われていますので、その間、地上波放送、BS放送の視聴に対しては料金が掛かりません(一部有料チャンネルを除く)。
いちどアンテナを建ててしまえば、上記の期間はランニングコストがかからないため、3種類の視聴環境の中でトータルコストがいちばん安くなります。
別途契約するインターネットの契約にも縛りは無く、自由に選ぶことができます。
- 地域・土地によって受信状況が異なる
- 見られるチャンネルが少ない
- 単体ではインターネットが利用できない
- 天候の影響を受ける(画質・故障)
アンテナの設置場所や方向、近隣の建物や地形などの環境要因によっては、画質が悪くなる場合があります。
地域のアンテナ塔から発信される電波を受信するため、山や建物によって遮蔽される恐れがあります。
都会でもビルに囲まれてると届かないことも…
ケーブルテレビや光と比べると、アンテナを通じて視聴できるチャンネルは限られます。ケーブルテレビや光テレビのように多チャンネル利用には、英咳放送のスカパー(CS)に加入したりする必要があります。
また、アンテナだけではインターネットは利用できません。インターネットを使いたいと、ケーブルテレビ業者や光回線業者等、インターネットを提供してくれる会社との契約が必要となります。
天気の影響を受けやすいもデメリットの一つ。特に衛星放送の場合、悪天候時に受信障害を起こすことがあります。さらに台風と言った強風によってアンテナが変形して壊れてしまったり、向きが変わって受信できなくなることがあります。
その場合、交換したり向きを再調整する必要がでてきます。修理には火災保険が適用できることもあります。
天候に左右されずらい「ユニコーンアンテナ」や、壁面へ取り付ける場合には目立たない形状の「デザインアンテナ」も登場しています。
ケーブルテレビを利用するメリット・デメリット
- 電波の弱い地域でも問題なし
- 有線で接続されているため通信が安定している
- 多彩なチャンネルを楽しめる
- インターネットや電話回線とひとまとめにできる
ケーブルテレビは基地局から有線ケーブルから信号として送信されるため、電波の強さ等の影響はなく、エリア内であればどこでも安定したテレビ視聴環境が約束されます。
また、ケーブルテレビの大きな魅力の一つは、様々な追加チャンネルやVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスです。VODサービスを利用すると、好きな時間に好きな番組や映画を選んで視聴することができます。放送を逃しても後から視聴できるのは非常に便利です。
ケーブルテレビ独自の専門チャンネルや、海外ドラマ、アニメ、ドキュメンタリーなど、多岐にわたるジャンルのコンテンツを楽しむことができます。
ケーブルテレビとインタネットを一緒に契約すると、月額料金が割引価格になることが多いです。これにより、コストを大幅に抑えることができます。
支払い手続きや問い合わせ先も1箇所なので手間が減少します。
- 工事費・月額料金が発生する
- 導入できるエリア、できないエリアがある
- 地上波放送のみの契約は基本的に不可
- 契約期間中に解約すると違約金が発生する
- インターネットの通信速度が速くはない
アンテナとは異なり、ケーブルテレビは基本的に月額料金が必要です。加えて、特定の専門チャンネルを追加する場合にはオプション料金が発生する場合もあります。
そして、すべての地域でケーブルテレビのサービスが提供されているわけではなく、地域によっては導入が困難な場合もあります。要は、基地局からケーブルが通っていないとそもそも通信ができません。
特に田舎の地域はケーブルを伸ばしてもカバーできる世帯が少なく、費用対効果が高くありません。そのため、利用は都市部が中心となります。
さらに地上波のみの契約は、テレビの電波が届かないところのみに限られ、基本的にはできません。オプションチャンネルの契約が必要となるので、最低限の番組しかん見ないという人には損となります。
一定の契約期間を設けているケーブルテレビ局も多く、途中での解約や変更にはペナルティが発生することがあります。
また、確かにインターネット接続オプションはありますが、光回線に比べると速度が劣ることが多いです。
ケーブルテレビだと最高1Gbpsとかだけど、光だと10Gbps出るのもあるよ
光回線を利用するメリット・デメリット
- 超高速の通信速度
- 通信の安定性
- 多彩なVODサービス
- インターネットをセットにすることで割引
光ファイバーを使ったインターネット通信は、大容量かつ超高速通信が可能です。
そのため、動画や音楽のダウンロード、オンラインゲームなどの快適な使用が可能となります。
また、光は電気的な干渉を受けにくいため、安定した通信が可能です。これにより、通信速度の低下や中断が少なくなります。
光通信はメインがインターネットですが、それに加えてテレビや電話などの複数のサービスを一つの回線で利用することができます。
ケーブルテレビと同様、VODサービスも利用かのうです。
- 工事費・月額費用がかかる
- 提供エリアが限られている
- 契約期間内に解約すると違約金がかかる
一般的に、光ファイバーの導入や設置には回線を家に引き込むための初期コストがかかります。この工事費は数万円かかるのが一般的ですが、キャンペーンなどを利用することで実質0円にしたりキャッシュバックを受けたりできます。
ただし、最低契約期間や解約可能な期間が決められていることがほとんどで、それ以外の期間に解約すると高額な違約金がかかります。
電話事業者や電力事業社などのインフラ企業が回線を持っているので、比較的田舎でもサービスが受けられます。しかし、田舎だと契約できる業者が限られてしまうのもデメリットです。
費用を抑えるためには比較検討することが基本ですが、その選択肢がない場合があります。
ちょっと損した気分…
初期費用の比較:アンテナ vs ケーブルテレビ vs 光回線
新築住宅を建てる際のテレビ視聴環境の選択には、様々なコストが関わってきます。特に初期費用は大きな負担となることが多いため、しっかりと比較して予算内での最適な選択を目指しましょう。
方法 | 初期費用 | その他 |
---|---|---|
アンテナ | 2万~5万円 | |
ケーブルテレビ | 0~4万円 | キャンペーン利用で実質無料あり |
光回線 | 0~4万円 | キャンペーン利用で実質無料あり |
いずれの場合も、新築工事の時に各部屋にアンテナ線や光ファイバーを配線する必要がありますが、これはどの方式を選択しても必要な費用となりますので、比較しません。
アンテナ
アンテナの購入費用と取り付け工事費が必要です。一般的には設備費と工事費を合わせて2万円~5万円程度が目安となります。また、BS・CS放送を視聴する場合は、専用のアンテナやチューナーの購入が必要となるので、追加費用が必要です。
地上波放送の受信調整やアンテナの方向調整などは、工事業者の設置工事に含まれているのが普通です。
ケーブルテレビ
ケーブルテレビの導入時には、契約手数料や初回設定料、回線引込工事費用、機器のレンタル料などが発生します。
これらの費用は、サービス提供者やプランによって異なるため、契約前に詳しく確認することが重要です。
他には専用のリモコンの購入費用、有料チャンネルへの加入費などが考えられます。
光回線
基本的な考え方はケーブルテレビと同じで、引き込む回線が変わるだけです。
ケーブルテレビや光回線の初期費用に関しては、キャンペーン等でキャッシュバックや工事費無料のものが見つかると思います。
しかしこの場合、最低利用期間が定められており、その期間で工事費が割られているだけです。逆に何のキャッシュバックもなく、まるまる工事費が全負担というようなところは損だと言えます。
月額利用料: ケーブルテレビと光のランニングコスト比較
方法 | 月額費用 | その他 |
---|---|---|
アンテナ | なし | アンテナが壊れたら自費で修理が必要(保険は使える) |
ケーブルテレビ | 5,000~8,000円 | 地上波放送だけの契約は基本的に不可 |
光回線 | 5,000~8,000円 | インターネット契約が必須 |
テレビ視聴の設備を3種類の中から選ぶ中で重要となるのが、ランニングコストの観点です。
特に、ケーブルテレビと光を選択する際の月額利用料は、長期的な視点で見ると大きな違いとなり得ます。
アンテナ
基本的に、一度アンテナを建ててしまえばランニングコストは一切かかりません。
ただし、屋外に設置するアンテナは台風などの強風の影響で向きが変わってしまったり、最悪壊れてしまうこともあります。その場合は修理費用が発生します。
修理費用については、火災保険の家財補償プランがついていれば、お金をかけずに修理することができます。工事業者によっては、火災保険の申請サポートもしてくれますので、頼ってみてもいいかもしれませんね。
ケーブルテレビ
ケーブルテレビの月額料金は、基本プランの費用として数千円から設定されています。加えて、インターネットや有料の専門チャンネル、チャンネルやVODサービスを追加する場合は、追加料金が発生します。
地上波はもちろん、多彩な専門チャンネルや映画、ドラマなどのVODコンテンツを楽しめます。ケーブルテレビと同時にインターネットサービスも接続され、セット割引などの特典もあります。
光回線
光のテレビ視聴サービスに関する月額料金は、高速インターネットとのセット利用が前提となります。そのため月額料金は高めとなりますが、実質的なコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
高画質のテレビ放送に加え、インターネットを活用した様々なコンテンツやサービスを楽しむことが可能です。
ストリーミングサービスやオンデマンド放送、さらにはホームセキュリティなど、光回線を活用した多岐にわたるサービスが提供されています。
あなたに向いている選択肢はどれ?
項目 | 向いている人 |
---|---|
アンテナ | テレビを見るけど最低限の人 ランニングコストを最低限にしたい人 |
ケーブルテレビ | 優先することが「いろいろな専門チャンネルを見たい」という人 |
光回線 | テレビよりも高速インターネットを優先したい人 |
アンテナを選ぶのがぴったりな人・環境
地上波の受信状況が良好な地域でかつ、月額料金をかけたくない場合に最適です。
また、頻繁にテレビを見るわけでなく「見なくても平気、でもテレビがないのもちょっと困る」といった、ライトなテレビユーザーはランニングコストのかからないアンテナがぴったりです。
10年単位でみたコストはアンテナが圧倒的に安いです。ただし、インターネットは別途契約が必須です。
ケーブルテレビを選ぶのがぴったりな人・環境
地上波の受信状況が悪い地域や、豊富なチャンネルを楽しみたい場合に最適です。
スポーツや映画といった専門チャンネルで、特に興味の深い分野がある人にはおすすめです。
ただし、ケーブルテレビのサービスが受けられる地域であることが必須なため、サービスを受けられるのは基本的に都市部のみです。
ケーブルテレビ網の中にない田舎の場合、この選択肢は残念ながらなくなります。
光回線を選ぶのがぴったりな人・環境
光回線は高速インターネットを一緒に利用することが前提です。特に10Gbpsレベルの超光速通信を利用したい人におすすめです。
ケーブルテレビと特徴は似ていますが、
お得にたくさんのチャンネルを楽しみたいならケーブルテレビ
高速インターネットを優先したいなら光通信でのテレビ視聴を選ぶのがおすすめです。
最終的には、家族のライフスタイルや予算、地域の状況を考慮して、最適なテレビ視聴方法を選択することが重要です。